自衛隊員と結婚するとどうなるの? 体験者の話から見えてくる「自衛隊員と共に生きるための心得」

恋愛・結婚

更新日:2016/1/13

 昨今、結婚相手として「自衛官」の人気が高まっているという。基地や駐屯地で行われる「ふれあいパーティー」はキャンセル待ちも出るほどらしい。公務員だし、制服はカッコイイし、規律正しい自衛官は、結婚相手として魅力的なのだろう。では、実際に結婚するとどうなるのか?

 『海自オタがうっかり「中の人」と結婚した件。』(たいらさおり/秀和システム)は、知られざる自衛官との結婚生活を描いたコミックエッセイだ。

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 海上自衛隊(海自)オタクのたいら氏は、基地主催のイベントで海上自衛官のやこさんと出会った。ゴツイ戦艦や武器に萌え、制服に萌え、隊員同士が使う隠語に萌え…の末に結婚した。

 正直な話、たいら氏が海自オタクであることを隠してやこさんと交際し、カミングアウトするまでのウダウダは、読んでいてイライラする。隠すことでもないし、ノロケ話でしかない。だが、ありふれたデート中のやりとり、結婚生活の日々のエピソードから「自衛隊員と共に生きるための心得」が見えてくるのだ。

遠距離恋愛なのにメールは1日2通のみ?

 海上自衛隊では職種によって、呉・横須賀・下総・舞鶴の「術科学校」で数ケ月の教育訓練を行う時期がある。厳しい規則とカリキュラムが組まれ、自由時間はほとんどない。やこさんとたいら氏は、1日2通のメールしかできなかったという。LINEがたった数分既読にならないだけでキーキー言っちゃうようでは、自衛隊員との交際は上手くいかない!

恋の邪魔者は台風?

 海自の場合、台風が接近すると「避泊」のために出動となる。係留している護衛艦が岸壁と艦を傷つけないよう、沖に出港して台風通過を待つのだ。当然、デートも旅行もキャンセルになる。夏から秋にかけてのデートは、台風予報とのにらめっこ?
 もちろんその他の有事の際にも出動となり、事態が落ち着くまで帰宅できない場合もある。自衛隊員と交際する場合、相手の仕事が何を優先しているのか、きちんと理解しておきたい。

家事・引っ越しでは頼りになるが…?

 自衛官は基本的に家事が得意らしい。掃除、洗濯、アイロン…「自分のことは自分でやる」という基本を訓練で叩き込まれるからだ。
 海自隊員は、洋上で曜日感覚を失わないよう、毎週金曜日にカレーを食べる。カレー作りにも味にもこだわりがある。また、夜食の「おにぎり」も若手隊員が作ったりするため、おにぎりの形や握り方にはうるさいとか?
 なんでもできて頼りになる反面、小姑のように感じてしまう危険性もある?

長期出張もしばしば、あんたの家はどこ?

 艦乗りは出港が多く、子どもに顔を忘れられることもあるそうだ。そこで、海自の妻たちは「父親を意識させる」ために、事あるごとに「パパの話をする」ようにしているという。面白い番組があれば「パパに録画してあげよう」、美味しいものを食べたら「今度はパパと一緒に食べよう」と子どもに話すのだ。
 家にいない「父親は家族のために頑張っているのだと教えてあげることが大事なんだな」とたいら氏は言う。
 だが、夫のやこさんは「明日から出港だから、◯時には艦に帰ろうかな」と言ってしまうことがあるそうだ。艦乗りにとって艦艇は「家」でもあるのだと、理解しよう!

 自衛官との恋愛のきっかけが「萌え」だって素敵だと思う。だが、結婚して生きていくということは、自衛官の「燃える」使命感と仕事を理解し、支え合うということ。

 自衛官と結婚したいと考えているあなたには、萌えて、燃えていただきたい!

文=水陶マコト