愛情たっぷり! マッサンを支えたリタの料理を実際に作ってみた!

食・料理

更新日:2019/6/13

 現在絶賛放映中で大人気の、NHK朝の連続テレビ小説『マッサン』。ウイスキーに情熱を注ぎ奔走するマッサンこと亀山正春と、そんな彼を支えるスコットランド人の妻エリーを描いたこの物語は、最終回を目前に控え、より注目度が高まっている。この話には、実在のモデルが存在する。ニッカウヰスキー創業者、竹鶴政孝と、その愛妻リタだ。リタは料理が得意で料理に力を入れており、それを活かしてマッサンを支える様子はドラマでも多々描かれている。彼女の料理は、人と人を繋ぐコミュニケーションツールにもなっていたようだ。

 そんなリタが実際に作っていた料理が、『マッサンが愛したリタの料理レシピ』(竹鶴孝太郎/KADOKAWA)として現代に蘇った。レシピは、マッサンの実孫・竹鶴孝太郎さんが紹介。リタの未公開愛用料理BOOKと手書きノートという、とても貴重な資料も掲載されている、ファンにはたまらない1冊。料理もそれらを元に完全再現されている。リタは、そしてマッサンは、どんなふうに調理し、どんな料理を食べていたのだろうか? それを少しでも感じるべく、実際に本書のレシピを作ってみた。

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「チキンブロス」(P.12)&「グリーンピースとチーズのポタージュ」(P.80)

 竹鶴家の味を決めていたというチキンブロス。鶏肉(今回は手羽元を使用)や玉ねぎ、にんじん、セロリ、パセリなどを煮込んで作るダシは絶品! 煮込むだけなので、時間はかかるが手間はかからない。もちろん具材もおいしく食べられるので、一石二鳥。

 

 そして完成したチキンブロスを使って、グリーンピースとチーズのポタージュ。

Cream of GreenPea

 炒めた玉ねぎとグリーンピースを先ほどのチキンブロスで煮込み、ミキサーでピューレ状にし、牛乳や生クリーム、小麦粉や卵黄を加えたクリーミーでコクのあるポタージュ。手間をかけた分、しっかりとした濃厚で美味しいスープになっていた。アクセントのサラミとの相性も良い。

 

「パーティービーフバーグ」(P.60)

 メインディッシュは、思わずテンションが上がりそうなパーティービーフバーグ。黒コショウ多めで作ったハンバーグを、グレイビーソース、トマト、パセリなどで煮込んだもの。煮込んでそのままテーブルに出してもおしゃれに見えるのが嬉しいところ。リタが残したレシピには、パーティー向きのものも多かったそうだ。

 

「マシュマロクリームケーキ」(P.88)&「にんじんとレモンのマーマレード」(P.68)

 そして最後はデザート。マシュマロで作るクリームが絶品のマシュマロクリームケーキと、にんじんとレモンのマーマレード。卵白とマシュマロ、砂糖で作った甘いクリームが、生地をしっとりとさせてとても美味しい。レモンの風味がさわやかなマーマレードとの相性も抜群だった。

スノウプディング クロナッツマシュマロ

にんじんとレモンのマーマレード

 リタのレシピは手間と時間がかかるが、実際に作ってみて、食材に対しても食べる人に対しても愛情を込めて作っていることを強く感じた。忙しいとついつい手抜きレシピに走りたくなってしまうが、リタのように、たまにはこういうきちんと作る料理も作っていきたい。本書には、他にも様々なレシピが掲載されている。マッサンファンや料理好きな人に、ぜひ手にとって見てみてほしい。

文=月乃雫