脚本家がライトノベル作家デビュー! 牧野圭祐の描くライトノベルSF『フリック&ブレイク』の魅力に迫る【レビュー&インタビュー】

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更新日:2015/6/26

  高度情報化社会となった現代では、自宅のPC以外でも外出先で携帯端末からネットに繋がることができ、友人とのLINEでスマホが手放せない学生や、タブレット端末が仕事で欠かせないという社会人も多いだろう。ここ10年間だけを切り取って比べてみても劇的な変化で携帯端末は進歩を遂げ、ネット対する人々の意識は高まっている。この情報化の波はどこまで加速していってしまうのか。そしてこの先の超情報化社会にはどんな生活が待っているのか。

 そうした近未来社会を描いたのが、ガガガ文庫『フリック&ブレイク』(牧野圭祐)だ。近未来都市で電波が知覚できる体質を得た少年少女が、ネット社会が生み出した怪物退治に奮闘するサイバーパンク・アクションだ。

生き抜くために逃げるか、それとも戦うか

 高度に情報化され、ウェアラブルデバイスで生活の情報全てが手に入る未来計画特区・蜂原。人々の感情や情報が膨大な電波に乗って交錯するこの街では、行き場を失った電波による怪奇現象が起こっていた。高校生の奏矢はある夜、怪奇現象に襲われるが、そこに現れたのは数世代前のガジェットと光る剣で戦う美しい少女で――。電波に対する感受性に覚醒した奏矢たちは、ジャンクガジェットを駆使して怪異を退治するバイトを始めることに。生き抜くための選択は、システムへの適応《アップデート》か、脱獄《ジェイルブレイク》か!?

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