外国人にこそ薦めたい! オタク米国人が選んだ「日本を深く、楽しく学べる本」ベスト10

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/20

 空港で見つけた来日外国人に同行取材する型破りな深夜番組『Youは何しに日本へ?』(テレビ東京)が人気だ。外国人から見た“日本”が気になる日本人にとって、日本も捨てたもんじゃないなと再確認できるのも、人気理由のひとつだろう。外国人の中には、日本のアニメやマンガをこよなく愛し、日本を訪れたという人も多い。そんな彼らは、一体どんな作品に興味があるのだろう?
そこで、現在、翻訳家・校正者として活躍中で、日本人オタク顔負けの知識を有するアメリカ人、ベンジャミン・ボアズさんに、「日本を深く、楽しく学べる本」10冊をランキングにして紹介してもらった。

 

1位『はれた日は学校をやすんで

西原理恵子  双葉文庫 552円(税別)

多感な少女の感情を絶妙なトーンで描いた表題作をはじめ、初期の作品、短期連載作などを収載した西原理恵子の自選作品集。おなじみのコメディテイストとは異なる叙情性が光る。

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2位『打姫(うたひめ)オバカミーコ』(全15巻)

片山まさゆき/竹書房近代麻雀C  562〜648円(税別)

駆け出し女流プロ雀士が、一度は麻雀界を辞めた元王者に弟子入り。二人の交流や成長が描かれる。多くの麻雀マンガを手掛け「プロより麻雀に詳しい」と評される著者の代表作。

3位『こどものおもちゃ』(全7巻)

小花美穂/集英社文庫  各600円(税別)

人気子役の紗南、クラスの問題児・秋人らの日々を追う学園マンガ。学級崩壊、出生悲話、病苦といった難題と向き合う紗南たちの様子や、人間模様の移り変わりは読み応え抜群。

4位『ナニワ金融道』(全10巻)

青木雄二/講談社漫画文庫  650〜750円(税別)

物語の主人公は、大阪のマチ金・帝国金融の新人営業マン。容赦ない追い込みや夜逃げ、差し押さえなどのお金にまつわる悲喜劇が描かれ、金融マンガブームの火付け役に。

5位『跳びはねる思考 会話のできない自閉症の僕が考えていること

東田直樹/イースト・プレス  1300円(税別)

自閉症者でもある著者が、人生や運命を語ったエッセイやインタビューを収載。ランキングの選者・ベンジ
ャミンさんは「多くの人に知ってほしい真実が書かれている」と語る。

6位『ハイスコアガール』(1〜5巻)

押切蓮介/スクウェア・エニックス ビッグガンガンCスーパー  各581円

物語の舞台は90年代。ゲームセンターで格闘ゲームに興じていた少年が、意外なきっかけで恋心に目覚め……。13年版『このマンガがすごい!』オトコ編で、2位を獲得した人気作。

7位『だめんず・うぉ〜か〜』(1〜15巻)

倉田真由美/扶桑社SPA!文庫  各476〜800円(税別)

ダメ男を渡り歩く女を「だめんず・うぉ〜か〜」と称し、その生態を余すところなく描いたエッセイマンガ。ベンジャミンいわく「日本人の意外な面を多く知ることができた」。

8位『描かないマンガ家』(全7巻)

えりちん/白泉社ジェッツC  各648円(税別)

マンガ家を志望し才能を誇示するも、何も描いたことがない主人公を描いたギャグマンガ。著名なマンガ家たちが単行本の帯にコメントを寄せており、リアリティは折り紙付き。

9位『軍艦島30号棟 夢幻泡影

高橋昌嗣/大和書房  2500円(税別)

1974年から無人島となり、現在は観光地として知られる軍艦島の、ありし日の様子を収めた写真集。軍艦島の本当の姿がわかる。ベンジャミンさんは本書の英文翻訳を担当。

10位『日本のことは、マンガとゲームで学びました。

ベンジャミン・ボアズ:原案・文 マンガ・イラスト:青柳ちか/小学館 1100円(税別)

2月下旬に刊行されたベンジャミンさんの著書。日本のオタクカルチャーを愛するインテリアメリカ人・ベンジャミンさんが、真のクールジャパンについて語るコミックエッセイ。

取材・文(ランキング部分)=澤井 一/ダ・ヴィンチ5月号 「その道のプロに聞く! ダ・ヴィンチなんでもランキング」