今話題のけん玉ユニット「ず~まだんけ」にけん玉を教えてもらった

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公開日:2015/4/19

 ここ一年ほど、「けん玉」が大流行している。先日、筆者がドン・キホーテやヨドバシカメラにけん玉を探しに行ったところ、どの店舗も品薄状態、種類によっては売り切れているものすらあった。入荷してもすぐに売れてしまうのだという。そもそも、ドン・キホーテはともかく、ヨドバシカメラのような家電量販店に当然のようにけん玉が置いてあるのが驚きだ。けん玉ブームはまだしばらく続きそうである。
 現在流行っているけん玉だが、誰もが知っている昔ながらの「けん玉」とは、決定的に違っている点があるのだという。その“異なる点”をまさにウリにしながら、昨今のブームを牽引しているのが、けん玉パフォーマンスユニット「ず~まだんけ」。一体何が違うのか、なぜ今けん玉界が盛り上がっているのか、「ず~まだんけ」の2人に話を聞いてみた。

20150228 ZOOMADANKE けん玉SHOW -泡沫- @梅田阪急百貨店

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【ず~まだんけ・コダマン(以下、コダマン)】 昨年あたりから、けん玉が話題にされることが一気に増えたんですが、逆輸入だと言われているんです。海外の人が景色の綺麗なところでけん玉している動画を動画サイトにアップしていて、それを見た日本人の、特にストリート系の人たちが、けん玉ってカッコいいじゃん、と真似しはじめた。

【ず~まだんけ・イージー(以下、イージー)】 けん玉はもともと、部屋の中で一人で粛々とやるっていうイメージがあったと思うんですよね。ここ最近流行っているのは、そういうのではなく、玉を投げたり、踊りながらやったり、動きのある、派手に見えるもの。やる場所も、部屋の中ではなくて路上。

【コダマン】 昔からのいわゆる「けん玉」は、“道(どう)”なんです。茶道、華道、と同じような、日本の“けん玉道”。やり方を教える本を、日本けん玉協会という団体が出しているんですが(『超カンタン けん玉教室』/金の星社など)、いかに正確にストイックに、10回中10回決めるには、とかをひたすら追求していく世界。それもけん玉の魅力なのですが、僕らず~まだんけが目指しているのは、“人に見せる(魅せる)”、“みんなでワイワイ分かち合う”、なのでそれもまた新しいけん玉の魅力だと思うんですよね。

  • ず~まだんけ

    コダマン

【イージー】 二人とも、「けん玉上手くなりたい」ではなく「カッコいいものを人に見せたい」というところから入ってるからかも。僕は小学校の頃からけん玉をやっていたのですが、それも学童保育の発表で、人前でダンスをしながらけん玉をする催しがあったのがきっかけ。

――2人でパフォーマンスを始めたのはいつ頃なのでしょうか?

【コダマン】 4、5年前、僕が30歳、イージーが20歳の頃に知り合って、イージーに教えてもらいながら、けん玉を始めたんです。それこそ当時はまだ海外のけん玉動画なんて流行ってはいなかったけど、ネットで探してきて、こういうカッコいいパフォーマンスを2人でやりたいね、と。それで「ず~まだんけ」を結成しました。イージーが新しい技を教えてくれようとしてるのに、「あ、その技は難しいわりにカッコ悪いからいいや。もっと簡単でカッコイイの教えてよ!」って文句つけたりして(笑)。

  • ず~まだんけ

    イージー

【コダマン】 2人でけん玉をやっていると、その技がカッコ良く見えるのかどうかが、客観的に分かるんですよ。一人だとなかなかそういう視点になれなくて、どうしても“技ができたかできなかったか”だけに意識がいっちゃうんじゃないかなと。お互いに見せ合って練習すると、外から見ていてカッコ悪く見えるのは、たぶん手の位置が高いからだ、じゃあもっと低くしてみよう、とかすぐに修正できるんです。それで、せっかく2人でやってるから、玉の紐を切って投げ合って交換したら派手に見えて良いんじゃない?とか2人でしかできない技を編み出してみたり。

【イージー】 コダマンが、「けん玉はぶっちゃけ地味なもの」っていうイメージをもともと持っていたのも、今のず~まだんけのパフォーマンスの形に影響してるかも。

【コダマン】 それは確かにあって、ぶっちゃけ小学校の頃とか、けん玉が上手い子が人気者かっていうと、そうでもなかったですよね。「ず~まだんけ」を結成したばかりの頃に、小さなお祭りで人前でけん玉をやったんですが、僕もまだ全然技なんてできなかったんですよ。でも、成功したらお客さんを巻き込んでフルテンションで喜んで、失敗したら必要以上にしょんぼりしてみて、お客さんにとってのピエロになる、っていうのをやっていて。それだけでもお客さんたちは楽しんでくれるんですよね。だから、実はみんなが気付いてないだけで、けん玉というものはすごく盛り上がる可能性を秘めている、と思った。それで、“難しい技”よりも、“パッと見て華やかでカッコいい技”を重視したパフォーマンスをやれば、けん玉のイメージも変わって、興味を持ってくれる人が増えるはず、と思ってやってきました。結果、けん玉の人口が増えて、良い流れになってくれています。

  • ず~まだんけ

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