友だちって本当に必要ですか? 鬼才・押井守が語る『友だちはいらない。』

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公開日:2015/4/23

友だちって本当に必要ですか?
 ”友だちはいいものだ”と人は言う。若者は友だちがいないからといって悩み、果ては心を病む者もいる。しかし、友だちは本当にいいものだろうか。単に社会が作り出した虚構を私たちが信じこんでいるだけだとしたら…。”友だちはいいもの”という世間の価値観に振り回されて、自分の自由をつぶしていないか。数だけは多いSNSでの「つながり」で友情は育めるのか。

「マトリックス」のウォシャウスキー姉弟をはじめ、「キルビル」のクエンティン・タランティーノ、「アバター」のジェームス・キャメロンといった、多くの映像クリエイターに強烈な影響を与えた日本が誇る監督といえば、そう押井守である。彼が2015年4月30日(木)に発売する書籍、『友だちはいらない。』(東京ニュース通信社)がヤバい。

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『友だちはいらない。』というタイトルから、押井の映像作品から垣間見える彼の強さ・気高さ・孤独感・空虚感が、ファンには伝わるだろう。内容は、長年の仕事仲間である映画ライターの渡辺麻紀をむかえ、押井自身の体験と思索の日々から語る、対談形式の刺激的で画期的な”友だち論”となっている。

 ファンだけでなく、むしろ学校や職場で人間関係に悩む方にお勧めしたい。なぜなら、”新しい友だち観”を知れる、本当に大切な人間関係とは何か問う一冊だからだ。

 なお、2015年4月15日(水)発売の『TV Bros.』(東京ニュース通信社)で、押井守監督の最新作に関する特集とインタビューが掲載されているので、そちらも見逃し厳禁である。

『友だちはいらない。』
第一章:友だちは幻想である
第二章:子ども時代はいじめられっこ
第三章:人間は孤独であるという当たり前の事実
第四章:”小さきもの”は人間が生きる上で不可欠な存在
第五章:友だちは死んだ人でもいい ~読書のススメ~
第六章:仕事をしよう ~僕の職歴~
第七章:一番必要なのは友だちなんかじゃなくて…

押井守

押井守プロフィール
映画監督。1951年生まれ。主な監督作に「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」(1984)、「機動警察パトレイバー the Movie」(1989)、「機動警察パトレイバー2 the Movie」(1993)、「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」(1995)。「イノセンス」(2004)はカンヌ国際映画祭コンペティション部門にノミネート、「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」(2008)はベネチア国際映画祭コンペティション部門にノミネートされた。最新作は「THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦」。

■『友だちはいらない。
著者:押井守
定価:833円(+税)
発売日:2015年4月30日(木)※一部、発売日が異なる地域あり
出版社:東京ニュース通信社

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文=リーズ