北欧女子オーサも参加! コミティア112レポート

マンガ

公開日:2015/5/12

 2015年5月5日(火・祝)、東京ビッグサイトにて「COMITIA112」が開催された。当日は他のイベントも同時開催されており、会場内はアニメや漫画、ゲームや創作を愛する人々で溢れていた。コミティアは「自主制作漫画誌展示即売会」と銘打たれており、コミックマーケットなどでメインとされている二次創作の類は禁止されている。どのサークルも、自分が生み出したキャラクターや世界を形にしており、クオリティの高さからもその愛の深さがうかがえた。

 また、今年はコミティア30周年ということで、30周年記念のグッズも販売されていた。

 さらに、「コミティア出張編集部」として多くの出版関係者も来場しており、多くの漫画家志望者たちが原稿を持ち込んでやり取りを行っていた。

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他にも、印刷会社もPRを兼ねて出展。その会社ならではのサービスや割引、グッズ製作など、どの印刷会社も魅力的なポイントがあった。

 中でも、「ポプルス」の2Dイラストを入稿するだけで3Dフィギュアを作成してくれるというサービスは、オリキャラ愛好者にとっては気になっているのではないだろうか?

そして今回、会場内企画として、『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』の発売記念イベント、『この世界の片隅に』トークショー&原画展示イベントも開催されていた。

 『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』の著者オーサ・イェークストロムさんが日本で活躍するきっかけとなったのが、このコミティア。ダ・ヴィンチニュースの連載でも大好評だった彼女の「トークライブ&サイン会するだ!」は、開始前から席は満席、周囲にも立ち見客が多く押し寄せていた。

 『セーラームーン』や『犬夜叉』、『少女革命ウテナ』や『NANA』が大好きだというオーサさん。漫画家になったきっかけや、コミティアとの出会い、日本に来て驚いたことベスト3など様々なトークが繰り広げられた。1年前のコミティアに出展した時は、15冊ほどしか売れなかったそうで、この1年で書籍の刊行まで成し遂げたというのはまさに大出世。オーサさんの魅力的な人柄と実力のなせる業。他にもオーサさんの漫画の描き方、質疑応答コーナーなど、終始笑いの絶えない楽しいイベントとなっていた。

 また、コミティアと縁の深い、こうの史代さんの作品『この世界の片隅に』(双葉社)の映画化応援企画として行われた、「片渕須直監督によるトークショー&レイアウト原図展」も、多くのファンが訪れた。

 トークショーに聞き入ったり、繊細に描かれた原図やグッズを眺めたりと作品の世界を感じていた。この企画を実現するには、クラウドファンディングでの資金集めに成功しなければならないそうだ。ぜひ参加して応援しよう。

 もちろん企業だけでなく、一般のサークルさんたちもそれぞれ工夫を凝らしていた。

 美麗できらきらしたイラストを描く「しいたけ」さん。クオリティの高い作品が並ぶ会場内でも、一際目を引く美しさだった。

 大きなキャンバスに会場内で描くという、新しいスタイルの「空想絵画物語」さん。ヘッドフォンを装着し、ブース内で作品作りに熱中。「お会計はブタさんの貯金箱に入れて下さい」と説明書きが添えられていた。

『週刊少年ジャンプ』で『WILD HALF』を連載していた浅美裕子さんのブースを発見。こんな有名な人にも会えてしまうのも、コミティアの魅力。取材にも快く応じてくれた。

 他にも、プロ顔負けの作品がたくさん。初めて行っても、見ているだけも売る側でも、何でも楽しめる空間。それがコミティアの魅力。

 次回の開催は2015年8月30日(日)。創作が好きな人、創作物を見るのが好きな人は、一度足を運んでみてはいかがだろうか。何か新しい発見ができそうだ。

文=月乃雫