プロレスが再熱! イケメンレスラーのなかで中邑真輔を“推しメン”にする3つのメリット

スポーツ

公開日:2015/5/22

 今、プロレスがリバイバルブームだ。プロレス女子(略して「プ女子」)という言葉も生まれ、試合会場には若い女性も多く見られる。イケメンレスラーにキャーキャー黄色い声援を送るのが、ごく当たり前の光景になってきているのだ。

 とは言え、格闘技初心者の女性にはハードルの高い世界である。わたしも3か月前、プロレスがなんのこっちゃ分からなかった。そこでプロレスに詳しい人から、「好きなレスラーを見つけるといいよ」とアドバイスされた。アイドルの“推しメン”のようなノリで、だれか一人のレスラーを好きになると、そこから派生してプロレスの知識や理解が深まるという。その“推しメン”がわたしの場合、新日本プロレスの中邑真輔選手だった。

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(C) 新日本プロレス

 なぜ中邑選手かと言うと、なんとなく異色で面白そうだったからだ。この「なんとなく」が大正解だった。中邑選手について知るべく、『中邑真輔自伝 KING OF STRONG STYLE 2005-2014』(イースト・プレス)を読んだところ、プロレスとはこういうもの、といった大枠を掴むことができたのだ。個性豊かなイケメンレスラーがたくさんいるなか、中邑選手を推すメリットをわたしなりに3点、考えてみた。

1、アントニオ猪木最後の弟子

 日本のプロレス史上、キーパーソンとなるのがアントニオ猪木。そのアントニオ猪木最後の弟子と呼ばれたのが、中邑選手だ。アントニオ猪木が提唱した新日本プロレス独自のスタイルを“ストロングスタイル”というが、中邑選手の異名は“キング・オブ・ストロングスタイル”。プロレス歴3ケ月の初心者が一気に「ストロングスタイルとは何か?」まで辿り着いたのは、他でもない。入り口が中邑選手だったからだ。イメージとしては、「AKBにハマったら、秋元康がなんと美空ひばりの曲を作詞していたことが発覚! “歌謡曲とは何か?”を考えるようになった」に近い。

2、「一番スゲェのはプロレスなんだよ!」

「プロレスと総合格闘技の違いが分からない」という人は多い。中邑選手は、総合格闘技を経験しているプロレスラー。デビュー間もなく、総合格闘技ルールで行われた「INOKI BOM-BA-YE」に参戦し、その後、IWGPヘビー級王者でありながら、総合格闘技家のアレクセイ・イグナショフと二度に渡り対戦した(一戦目・無効試合、二戦目・勝)。そして総合格闘技で実績を残した中邑選手は、プロレスのリングでこう言ったのだ。「一番スゲェのはプロレスなんだよ!」――痺れることこの上ない。

3、10年前と今がまるで別人のよう

 プロレスの醍醐味は、「長く見続けると選手の生き様が見えてくる」ことだとよく言われる。その長い期間のことを“溜め”と表現する。おそらく今のメインストリームを走るレスラーの中で、“溜め”が最も大きいのが中邑選手だ。デビュー当時と今を見比べると、人は10年でこんなに変わるものかと度肝を抜かれる。コスチュームも髪型も動きも、まるで別人のようだ。「プロレスとは戦いの芸術であり、プロレスラーは即興の芸術家である」と自伝の前書きにあるが、読み進めると、中邑選手にとってプロレスが芸術に変化していく過程がまざまざと見えてくる。まさにプロレスの醍醐味である“溜め”を活字にした、鳥肌モノの一冊だ。

 もちろん自分の好きなレスラーを応援すればよいのだが、「どんなレスラーがいるのか知らない」「何から始めていいか分からない」という人には、まずは中邑選手から入ることをオススメしたい。どの側面から見ても深みがあるので、だれがファンになっても間違いがない。

 ちなみに中邑ファンあるあるとして、中邑ヘアーにする、格闘技を始める、などがある。女性でも中邑選手を真似て、髪をガッツリ刈り上げちゃうのだ。イケメンレスラーに対するアイドル目線を超えて、中邑選手の生き様に心酔する人が多いからだろう。かく言うわたしも最近、格闘技ジムに通い始め、「中邑選手の言う“リングに感情を落とし込む”感覚って、こういうことかな?」などと想像しながら、一人、胸を熱くしている。

文=尾崎ムギ子