日本って、治安がいいのに痴漢が多いのはナゼ!? 外国人が抱く日本に対するホンネ【著者インタビュー】

社会

公開日:2015/6/22

 「高校にこんなミニスカートの娘が沢山いたら男の教師も大変だなぁw」「紙がトイレにながせるって、清潔でなんて素晴らしいんだ!」「電車の痴漢対策に女性専用エリア…?そんなにみんな痴漢するの?」――これらはすべて、外国人が日本に抱いている素朴な疑問である。

 ここ最近、街中で外国人を見かける機会が増えたように思う。それもそのはず、日本政府観光局によると、2015年2月の時点で訪日外国人の数は前年の約1.5倍を記録。月あたり100万人を超える外国人が、日本に遊びに来ているというのだ。

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 そんな外国人を見かけるたびに、「いやぁ、日本っていいところでしょ?」と、少しだけ誇らしい気持ちになる。治安もいいし、食べ物も美味しいし、こりゃ文句のつけどころがないのも納得。手前味噌ですが。

 …なんて思いきや、意外や意外、外国人からすると、日本はヘンなところだらけなのだとか。そんな彼らの声をまとめた1冊が、『治安はいいのにチカンが多いって、どういうこと?』(異文化コミュニケーション研究所:編/バジリコ)だ。本書には、上述のような、外国人が日本(人)に抱いているホンネが満載。日本のカルチャーやサービスに対する疑問や、アダルト文化に対する考え方の違いなどが、赤裸々になっている。

 そこで今回は、著者である異文化コミュニケーション研究所の土佐栄樹氏にインタビューを敢行。本書の読みどころや今後の活動について、話をうかがってみた!

――多種多様な意見が登場しますが、外国人の声をどのように集めたのか教えてください。

「友人や知人を通じて、地道に外国人にアンケートを募りました。直接外国人にインタビューをしたり、さまざまなメディアから情報を集めてきたりもしました」

――そうやって集めた意見のなかで、印象に残っているものはありますか?

「“芸能人でさえも歯並びが悪かったり。ハリウッドみたいに美容歯科にいかないのかな?”という意見があり、同じ日本人としてハッさせられました。どうやら日本人には、歯が汚いというイメージがあるようです(苦笑)。それと、“疑問に思ったんだけど、どうして多くの日本人、特に女性は八重歯を治さないんだろう?”という声があって、八重歯の捉え方の違いにも驚きましたね。日本人は八重歯をかわいいと思っていますから。
 また、“自動販売機で何が一番重要かって言ったら、やっぱ治安の良さなんだよね”“ひと気のないところに自動販売機があるし、それが壊されても盗まれてもいないなんて”など、自動販売機が普通に存在していること自体、“治安の良さ”の表れなんだと。これには、なるほど、と思いました」

――確かに、国によっては自動販売機なんて置けないところもあるでしょうね。では、本書に掲載できなかったけれど、ユニークな意見があれば教えてください。

「“日本のキャバクラが、日本人男性をダメにしている”と熱弁する外国人がいて、確かにその通りだなと笑えました。同じ男としては耳が痛い部分もありますけどね(笑)。
 女性に多かったのが、“花火大会は浴衣が着られるから楽しい“という意見。見るだけではなく、“浴衣”というものを通じて参加する楽しさも花火大会にはあるんだな、と新たな発見でした。それと、浴衣って、外国人にとってみれば“民族衣装”なんですよね。だけど、簡単に着られて背が高い外国人でも似合う。手軽に日本人の文化に浸れるのも魅力なんでしょうね」

――本書の執筆を通して、日本に対する考え方・見方に変化はありましたか?

「なんだかんだいって日本っていい国なんだな、と改めて思いました。アンケート・インタビューをした外国人も、日本を好意的に受け止めている人が多かったですしね。この本のタイトルだけ見ると、日本にツッコミを入れている感じですけど(笑)。でも、治安がいい国だということは確かなので、誇らしい気持ちです。チカンは減ってほしいですけど」

 異文化コミュニケーション研究所では、今後は「タイ人ならどう見る?」「フランス人ならどう見る?」というように、国別に日本への印象を掘り下げていきたいと考えているとのこと。「外国人の日本に対するニーズに細かく目を向けていくと、新しいビジネスチャンスも生まれてくるような気がするんです」と、土佐氏は不敵な笑みを浮かべた。

 普段はうかがい知ることもできない、外国人のホンネ。これを機に、長所を伸ばし、短所を改善していけば、日本はもっと愛される国なるのではないだろうか。まずはその第一歩として、痴漢、ダメ、ゼッタイ!

文=前田レゴ