若冲と蕪村、共に生誕300周年! 同時代の天才絵師を追う特別展開催

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公開日:2015/7/3

  • 若冲と蕪村

    伊藤若冲筆「白象群獣図」 江戸時代 18世紀
    個人蔵 展示:7/22~8/9

 MIHO MUSEUMは、2015年7月4日(土)から「生誕三百年 同い年の天才絵師 若冲と蕪村」を夏季特別展として開催する。今回の展覧会では、いまから約300年前、同時代に生きた絵師、伊藤若冲(1716-1800)と与謝蕪村(1716-1783)にスポットが当てられる。

 伊藤若冲は、京都にある青物問屋の長男として生まれ、40歳の頃から本格的に絵を描きはじめる。華麗で細密な花鳥画や斬新な「桝目描き」による群獣図、童心を忘れぬ大らかな水墨画を描いた。極彩色の細密な作品を描く一方、中国・朝鮮絵画から影響を受け、個性的な作品を数多く残している。

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  • 若冲と蕪村

    伊藤若冲筆 梅荘顕常賛「白梅錦鶏図」 江戸時代 18世紀
    MIHO MUSEUM 蔵 展示:7/22~8/2

 与謝蕪村は、大坂の農家出身で、20歳頃に江戸へ出て俳諧を習う。27歳のとき、俳諧の師匠が亡くなったのを機に、北関東・東北地方をおよそ10年間遊歴し、40歳頃から京都に住み、俳諧と絵画のふたつの分野で活躍。南宗画の系譜を引く雄大な山水画や、自ら詠んだ俳句を賛した軽妙洒脱な俳画を描いた。

  • 若冲と蕪村

    与謝蕪村筆「山水図屏風」 天明二年(1782)
    MIHO MUSEUM蔵 展示:全期間

 2人の天才絵師はともに正徳六年(1716年)に生まれ、40歳を過ぎてから本格的に絵画の道に入った。2人は、蕪村が42歳頃に京に移り住んでからは徒歩10分足らずの近くに暮らしていたにもかかわらず、不思議なことに2人の交流を裏付ける資料は一切発見されていないという。

 今回の展覧会では、2人の代表作品に加えて多くの新出作品を紹介。特に、若沖の代表作である「象と鯨図屏風」と、初公開となる蕪村の「蜀桟道図」は見所。ともに影響を受けた中国・朝鮮の絵画や同時代の関連作品も含め、200点を展示し、同じ時代を生きた二人の天才絵師の画業をたどる。

  • 若冲と蕪村

    与謝蕪村筆「蜀桟道図」安永7年(1778) ※初公開
    LING SHENG PTE. LTD (Singapore) 展示:7/4~8/2

2015年夏季特別展「生誕三百年 同い年の天才絵師 若冲と蕪村」概要
開催期間:2015年7月4日(土)~ 8月30日(日)
会場:MIHO MUSEUM
所在地:滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300
連絡先:0748-82-3411
開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時まで)
休館日:月曜日 ※7/20(月)は開館、7/21(火)は休館
入館料:一般1,100円、高・大生800円、小・中生300円 ※20名以上の団体は各200円割引
主催:MIHO MUSEUM/読売新聞
後援:滋賀県/滋賀県教育委員会/NHK大津放送局/BBCびわ湖放送/エフエム京都
⇒「MIHO MUSEUM」公式サイト

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