立ちっぱなし、ヘドバン、そして完全燃焼…フェスで疲れきった身体をツボ押しで癒やそう!

健康

公開日:2015/7/8

   

 夏といえば音楽。現場での高揚感や生音に飢える音楽ファンにとってみれば、もはやフェスに狂うしかない季節がやってきた。今年もサマソニやロキノンなど、全国各地のいたるところでフェスが開催されている。しかし、ボルテージが最高潮に高まった挙句、終演後、身体中にドッと痛みや疲れが押し寄せることある。

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 ファンにとってはいわば“名誉の負傷”ともいうべきか、症状を自覚するたびに、当日の興奮が蘇ってくるのも事実だ。ただ、日常生活へ戻ったとき、あまりに支障が出るのも困りものである。そこで、いうなれば“フェス疲れ”ともいえる症状を緩和するためにおぼえておきたい身体のツボを『魔法のツボ図鑑 ちょっとした不快症状からガンコな痛みまで』(邱 淑惠 監修/主婦の友社)をもとに、シチュエーションごとに切り分けながら紹介していく。

ヘドバンのしすぎで首が寝違えたかのように痛い

 心臓を揺さぶられるような重低音、身体が引き裂かれるようなディストーションの音色を受けて、頭が取れるかと思うほど首が動くのは、もはや自然の摂理としかいえない。しかし、あまりに激しく振りすぎて、明らかにそれが原因だと思える首の痛みに見舞われることもある。

 手の甲にある「合谷(ごうこく)」というツボは、首だけではなく肩こりや手のしびれなど、様々な症状に効果を発揮。親指と人差し指の分かれ目辺りを、親指で「痛気持ちいい」程度に数回、両手をそれぞれ1~2分間ずつ押してはゆるめてを繰り返すのがよいという。また、首筋にもツボがあり、生え際の左右にみられるくぼみ辺りの「風池(ふうち)」、そこから親指1本分ほど内側にある左右それぞれの「天柱(てんちゅう)」と呼ばれる部分をグッと押すのもアリ。ちょうど生え際の辺りにある。

腕を振り上げまくったせいで肩がパンパンに張っている

 汗のほとばしるステージから、アーティストが全力で煽ってくれている。ならばもちろん、こちらも全力で応えるしかない。しかし、誰よりも思いを伝えようと天高く腕を振り上げるがあまり、翌日、味わったことないと思えるほどの肩こりに悩まされるときある。

 自然と手をふれている機会もあるが、肩こりや張りに効くツボは「肩井(けんせい)」だという。背中に向けて手をやると人差し指がふれる辺り、首の付け根と肩の先端を結んだ線のちょうど真ん中辺りにある。少し痛みをともなう程度に押してみるほか、現場でやる場合、もしスペースに余裕があるなら、前後に回しながら両腕をいたわれば効果もさらに期待できる。

丸一日立ちっぱなしで腰を痛めた

 開放感たっぷりの空間で思う存分に身体を動かせる屋外フェス。休憩スペースに行っている暇などない。今日という日を楽しむため、一瞬たりとも気を抜かないようスタンディングで一部始終を見届ける。しかし、慣れないからか、立ちっぱなしで腰を痛めてしまうこともある。

 違和感をおぼえたときに自然と腰を押さえてしまうときもあるが、意外と理にかなっているようだ。腰まわりには、へその裏側辺りに位置する「命門(めいもん)」、そこから左右に指2本分離れた場所には「腎兪(じんゆ)」、さらにそこから外側へ指が4本分離れたところには「志室(ししつ)」がある。特に中心の「命門(めいもん)」は体力アップにも役立つ効果があり、両手の中指を重ねて揉み込むように押すのがよいという。

ありえないほどに盛り上がったので、明くる日に全身疲労が襲ってきた

 ある意味、究極の症状といえるかもしれない。楽しい時間というのはあっという間。昨日の余韻もさめやらぬ中、どこが痛いとか疲れているとかではなく、とにかく全身の疲労がハンパないと思えるときもある。

 休養を取る暇もなく、日常生活へ戻らねばならないとき、やる気を取り戻すために効果的なのは、足の裏にある「湧泉(ゆうせん)」だという。ちょうど足の指を曲げたときにへこむ場所、土踏まずの先端付近を両手の親指でつま先側へと押し出すように何度か強く揉み込む。また、首の痛みに効くとした「風池(ふうち)」にも疲労感や倦怠感を追い払う効果があるそうだ。

完全燃焼しすぎたせいで、翌日からやる気が出なくて憂うつ……

 あのとき、あの瞬間に戻りたい……。しかし、ときの流れというのは残酷ともいうべきか、余韻がさめやらぬままいつもの日常へ戻ったとき。楽しかったどころか、楽しすぎたおかげで急激な脱力感にさいなまれるときもある。

 足の甲の真ん中辺りに位置するのが「解谿(かいけい)」。ちょうど関節の変わり目にあり、座って足を組んだ状態で、人差し指で両足それぞれ交互に押してみる。また「井穴(せいけつ)」も効果的とされ、親指から中指にかけては爪の生え際の体寄り、薬指は外側、小指は両側にあるので、順番に、指先を引っ張るようなかたちで刺激するのがよいという。

 身体に残った痛みや疲れ。それは、日頃のストレスや葛藤を解き放ち、音楽と現場の空気に身を任せて戦った証拠ともいえる。当日の体調はもちろん、終わったあとのケアも忘れずに、ぜひとも“非日常”を思う存分に味わってほしい。

文=カネコシュウヘイ