旅×料理のコラボ! 世界30カ国の料理が簡単に作れるレシピ本が登場!【作ってみた】

食・料理

更新日:2015/7/19

『世界のごちそう 旅×レシピ』(本山尚義/イカロス出版)

 旅行本、料理本は数多くあれど、その2つが1冊になった本にはそうそう出会えない。『世界のごちそう 旅×レシピ』(イカロス出版)は、シェフの本山尚義さんが、世界約30ヵ国を旅し料理修行をする様子を綴ったエッセイ。その国々の料理を紹介するレシピ本でもある。バックパックひとつで世界を渡り歩いた本山さんのエピソードも読みごたえがあるが、カラー写真で紹介される各国の郷土料理にもついつい引き込まれてしまう。旅行には行けずとも、行ったつもりでその国の料理を楽しむことはできるはず! というわけで、今回は本書のレシピの中から3品を作ってみた。

カンボジア/ノムパンチェン

 カンボジアの定番料理「ノムパンチェン」は、2センチほどの厚さにスライスしたフランスパンの上に、春雨やきくらげなどを混ぜ込んだ豚ひき肉を塗り油で揚げたもの。衣のカリッとした歯触りと中のしっとりとした食感がやみつきになる。「カンボジアなのになんでフランスパンなの?」と、疑問に思った方もいるかもしれないが、カンボジアは昔フランスの植民地だった過去があり、いまでもフランスパンが食べられているとのこと。現地では屋台で売られていることが多く、朝食や子供のおやつとして食べられているのだとか。

ベルギー/ワーテルゾーイ

 「ワーテルゾーイ」はベルギー版のチキンシチューで、現地ではメジャーな家庭料理だそう。鶏肉や人参、じゃがいもと日本で食べるシチューと同じような食材が使われるが、こちらは生クリームをふんだんに使った濃厚な口当りだ。チキンや野菜をじっくり煮詰めて旨味がつまったところに、生クリームを加えれば、コク深い味わいに。仕上げにレモン果汁を入れるのが現地流。「今夜の料理はシチュー」なんて人は、いつもとは一味ちがうレシピに挑戦してみては。

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トルコ/カルヌ・ヤルク

 茄子とトマトと牛ひき肉、この組み合わせは日本人もきっと好きなはず。多めの油で焼きあげた茄子に、トマトピューレで味を整え炒めた牛ひき肉をたっぷり挟めば、トルコの定番料理「カルヌ・ヤルク」の完成だ。茄子が旬の夏場に食べればスタミナがつきそうな一品。ちなみに、茄子を揚げる前は油が飛び散らないように、キッチンペーパーなどで水気をよく切っておくことがポイント。

 本書で紹介されているレシピは全部で30品。中にはチベットやグアムの伝統料理など、日本にいたらめったに食べられないような料理のレシピも紹介されている。ちょっと変わり種の料理に挑戦したい時にも活用できる、楽しくて実用的な1冊だ。

文=松原麻依(清談社)