掃除機も洗濯機もバスタオルも不要!? こんまりさんもビックリの新たな片づけ法

暮らし

公開日:2015/7/26

 『「捨てる!」技術』(辰巳 渚/宝島社)、さまざまな断捨離本、そして、「人生がときめく片づけの魔法」シリーズ(近藤麻理恵/サンマーク出版)などは、その際たるものだろう。近藤麻理恵さん、通称こんまりさんは、その英訳本までヒットを飛ばし、今年アメリカの雑誌『TIME』で「世界で最も影響力のある100人」にまで選ばれた。そして、さらに片付けを指南する新しい本がこれでもかというほど発行されている。

 そんな中、興味本位で書いてみたという電子書籍の個人出版で、ベストセラーになってしまった本がある。『必要十分生活~少ないモノで気分爽快に生きるコツ~』(たっく/大和書房)だ。今年5月には単行本として出版された。本書はどちらかというと男性のための片づけ本。「モノをいっきに片づけよう!」というものではなく、普段から本当に必要なモノだけを厳選して身の周りにおくことを提案する。多少不便を感じてもとにかくスッキリさせておきたい人にはピッタリだ。引越しが多い、もしくは好きな人、ノマド生活を送る人にもいいかもしれない(ただし、たっく氏にはご家族あり)。

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 私の独断と偏見で初級者・中級者・上級者向けにカテゴライズして、著者の提案をいくつか紹介してみたい。

初級者編

・「資料は国会図書館を利用する
たっく氏は、仕事で専門書が必要なときでも購入しない。ネットで調べるか、国会図書館を徹底的に利用する。国会図書館には、日本で発行されたありとあらゆる本・雑誌・新聞などが保管されているからだ。これで、資料の保管スペースも必要なし。

・「バスタオルは不要
たっく氏の家には、バスタオルというものがないらしい。小さいタオルで体は全部拭けるというわけだ。

中級者編

・「机の上のモノはすべて運ぶ
たっく氏は、会社、自宅、ホテル、図書館などどこでもまったく同じ環境で仕事ができるように、机の上で使うモノはすべてワンセットにしてリュックで運んでいる。ノートパソコン、弁当箱、iPad、iPhone、USB型メモリーカード、時計、メガネ、ボールペン…などなど32種類。これであらゆる場所の机はスッキリ、忘れ物も激減だ。

・「ペンは2本だけ
たっく氏が使うペンは、万年筆(ペリカンのスーベレーンM400)とボールペン(三菱の証券細字用)だけ。確かに、ただでさえ手書きの機会が減っているこの時代、色ペンやシャープペンなど使うことはそれほどないかも。

・「プリンターはいらない
プリンターが家にあると便利だ。ネットで気になったページ、仕事で必要な書類をいつでも簡単に印刷できる。ただ、用紙代やインク代などが意外とばかにならない。普段ちょっと使いたいだけなら、コンビニのコピー機で十分ではないか、というのがたっく氏の主張だ。

上級者編

・「掃除機は不要
たっく氏によると、市販の「クイックルワイパー」と雑巾があれば十分という(2LDKまで。それ以上大きな部屋なら業務用「クイックルワイパー」で)。いくら高級な掃除機でも「クイックルワイパー」より重いし、電源や充電が必要、音がうるさく、保管にも場所をとるという。ただし、パートナーがいつも掃除をしてくれている場合は、そのことにまず感謝すべきであり、「掃除機よりクイックルワイパーのほうが楽だよ」などと下手に言わないよう警告している。

・「洗濯機はいらない
白物家電の代表、洗濯機。まさかこれも不要とは、さすがにどうしようというのか。これは一人暮らしで週1回の洗濯で済むならばという前提だが、近所のコインランドリーを利用してはいかがだろうかという提案だ。メンテナンス不要、占拠スペース不要、そして引越しラクラクというわけだ。

 もちろん、たっく氏にすべて従う必要はなく、自分に合った方法を取捨選択してみるといい。ただ、「これはないとイケナイ」という固定観念は捨てるべきかもしれない。ひと昔前の人はそれがないことは当然だったのだから。もちろん、便利だったり、時間短縮につながったりすることは確か。だが、あふれたモノにうんざりしているならば、「いつか使うかも」「あったら便利」という考えを一度捨てて、本当に必要であり必ず使うモノなのか、よ~く考えてみてはどうだろう?

文=林らいみ