村上隆企画、ニューヨークのアートシーンの最前線に迫る『美術手帖』9月号増刊

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公開日:2015/8/30

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 現在のアートシーンの震源地では一体何が起きているのか? 2015年8月29日(土)に発売された『美術手帖』9月号増刊では、強烈な個性を発揮するアーティスト・村上隆の企画による「ニューヨークアートシーン」の最前線を特集している。

 ニューヨーク在住のキュレーター、「アンドレア・ニュースティン」をゲスト・エディターにむかえ、コンテンポラリー・アートの中心地であるニューヨークアートシーンの最新動向を紹介する。

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 まずは、シーンを牽引するアーティストへのインタビューを掲載している。“ビデオ・シミュレーション”という進化し続ける媒体を用いる「イアン・チェン」。テキストとイメージの間の緊張に満ちたスペースを探求する「R・H・クエイトマン」。彫刻、インスタレーション、そしてテキストの境界をまたぐ「ダレン・ベイダー」。細菌や臭気を美術へと昇華させる方法を探る「アニカ・イ」。そして、政治や社会問題に対する多様な実践と、実験的な出版業を手がけ、昨年ヒューゴ・ボス賞を受賞したことも記憶に新しい「ポール・チャン」の5名を取り上げ、彼らの表現と実践について話を聞いている。

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 さらに、次世代を担う、新進気鋭の作家20人を紹介! ファッションやコメディーといった、アートとの開かれた対話も含む、多様化する時代に呼応する20通りの表現を取り上げている。これからのアートがどう進化するか、彼らの言葉にヒントが隠されているかもしれない。

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 また、アートシーンに欠かせないキュレーターや、ギャラリストへのインタビューも見所の一つ。グローバルで実験的な展示を行うアートスペースであるスカルプチャーセンの「ルーバ・カトリブ」。ロウワーイーストサイドに位置する新進気鋭のギャラリーを運営する「デヴィッド・ルイス」。デザインオフィス、ブックストア、アートギャラリーなど多角的な活動を行っている「ブレンダン・デューガン」。アーティスト・ラン・スペースの先駆け的存在であるリーナスポーリングス・ファインアートの「ケルシー&サンドブラッド」。そして、ニューヨークのシーンで20年以上にわたり大きな影響力を持つ「ギャヴィン・ブラウン」の5組が、現代アートについて熱く語る。

 コンテンポラリー・アートの中心地であり、震源地でもあるニューヨーク。その中枢で、社会の動きに呼応しながらアートシーンをダイナミックにリードするキーパーソンたちの貴重な声を収録している1冊。アートを担う彼らの熱い思いに何かしらのインスピレーションを受けるはず。国内外問わず、今後のアート文化に注目したい。

■『美術手帖』9月号増刊
価格:1,500円(+税)
発売日:2015年8月29日(土)
発行元:美術出版社