東出昌大「やはり歴史オタクとしては織田信長はやってみたい」

あの人と本の話 and more

公開日:2015/9/6

毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、主演映画『GONIN サーガ』』の公開を控えた東出昌大さん。歴史に造詣が深い東出さんならではの選書は『無私の日本人』だった。

 歴史に造詣が深い東出さんが選んだ一冊は、『無私の日本人』。歴史家・磯田道史さんが、“無私”の心で奇跡を起こした江戸人のドラマを掘り起こした感動の評伝集だ。磯田さんは、歴史好きの俳優らが集う“磯田会”を開いていることでも知られている。
「“磯田会”にはまだ参加したことがないんですが、先日先生にお会いしました。頭の中にすごい量の情報が詰まっていて、でもそれでいて人の生きる道を教える、まさに“先生”としての素養を持っておられます。僕は実は高校までは歴史の授業が大っ嫌いだったんですけど、それは知識を押しつけられる気がしていたから。先生の本は『日本人の叡智』『殿様の通信簿』なども素晴らしくて、ドラマを描いていてワクワクします。〈先生は、緒方洪庵と大村益次郎のいいとこどりをした感じの方ですね〉と言ったら、〈二人とも尊敬する先人です〉とニコニコしていました」
 緒方洪庵は江戸時代後期の蘭学者で、大阪に“適塾”を開き、福沢諭吉ら多くの傑物を育てた。大村益次郎はその門下生にして長州藩の兵学者。傑出した才で戊辰戦争を勝利に導いた。
 大河ドラマ『花燃ゆ』の久坂玄瑞役も印象深い東出さんだが、今後演じてみたい歴史上の人物を聞いてみた。
「いっぱいいます。幕末なら山岡鉄舟。身長が190cm近くあったそうですし」
 鉄舟は剣・禅・書の達人だった幕臣で、江戸城無血開城の立役者とも言われる。
「戦国時代なら、豊臣秀吉に仕えた名将・大谷吉継とか。あと、やはり歴史オタクとしては織田信長はやってみたい。なんかマニアックな話になっちゃってすみません(笑)」

(取材・文=松井美緒 写真=干川 修)

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東出昌大

ひがしで・まさひろ●1988年、埼玉県生まれ。2012年、『桐島、部活やめるってよ』で俳優デビューし、第36回日本アカデミー賞新人俳優賞など多数の新人賞を受賞。14年には『クローズ EXPLODE』と『アオハライド』で映画主演。今年は、大河ドラマ『花燃ゆ』の久坂玄瑞役を熱演し、舞台『夜想曲集』でも主演を果たす。
ヘアメイク=遠山美和子(THYMON Inc.) スタイリング=檜垣健太郎(little friends)
衣装協力=ジャケット64000円、パンツ33000円(共にマーガレット・ハウエル/アングローバルTEL03-5467-7874)、ニット31000円(ジョン スメドレー/リーミルズ エージェンシーTEL03-3473-7007)(すべて税別)

 

『無私の日本人』書影

紙『無私の日本人』

磯田道史 文春文庫 637円

困窮にあえぐ奥州街道沿いの宿場町・吉岡宿。造り酒屋の穀田屋十三郎は同志と出会い、伊達藩に金を貸し付け、その利子で町を救うという一世一代の事業を成し遂げる。ほかに村儒者・中根東里と蓮月焼を作った女性・大田垣蓮月の評伝も収録。江戸人の“無私”が奇跡を生む感動の歴史秘話!

※東出昌大さんの本にまつわる詳しいエピソードはダ・ヴィンチ10月号の巻頭記事『あの人と本の話』を要チェック!

 

映画『GONIN サーガ』

監督・脚本/石井 隆 出演/東出昌大、桐谷健太、土屋アンナ、柄本 佑、安藤政信ほか 配給/KADOKAWA/ポニーキャニオン 9月26日よりTOHOシネマズ新宿ほか全国ロードショー
●伝説のバイオレンス映画『GONIN』の続編がついに誕生。19年前の五人組による五誠会系大越組襲撃事件の遺児・勇人と大輔は、ルポライターを名乗る男と出会う。元アイドルの麻美を巻き込んで、新たなGONINの宿命の闘いが幕を開ける!
©2015『GONIN サーガ』製作委員会