安全ちゃん(10)目指せ! 非コミュ地獄からの脱出
更新日:2013/8/6
「会話がとぎれない!話し方66のルール」で非コミュ地獄から抜け出す
引きこもり体質のくせに、最近は打ち合わせに取材に、毎日外出が続いているわたくし…。
去年は年が明けてから9月になるまで一度も遊びに行かず、トータルでの飲み回数も3回という引きこもりの鏡とでもいうべき状況だったのが嘘のよう…!
とはいえ、長年にわたるスタンドアローン生活の中で失われたコミュニケーション能力は、そう簡単には戻らないもの。初対面の人に会うたび「挙動不審っぽい」と言われるこの状況をなんとかすべく、今回は会話術の本に挑んでみました。
誰とでも15分以上 会話がとぎれない!話し方66のルール
紙の書籍は60万部突破! 「会話がとぎれてしまう」「話が続かない」など、会話の方法で悩むの人に向け、会話の悩みをすべて解消する方法を徹底伝授。会話力が自然とアップする「話し方ルール」で話を進めれば、会話が10分、20分…とおもしろいほどふくらみ、はずむはず! これでもう、ドギマギせずに楽しく会話ができること間違いなし!!
完全引きこもりモードで会話術本に挑む私
――会話が続く「聞き方」のコツ
人はだれでも「自分の話を聞いてほしい」「気持ちを分かってほしい」という思いをもっているもの! 会話の力を付けるには、相手の気持ちを引き出す「聞く力」をつけることが大切です。
●相手の話題を取らない A:「加護亜依、また自殺未遂だって!!」 B:「あー、すぐ自殺未遂する人っているよね! 私の友達もこの前、みんなでディズニー行ったら”幸せな家族を見てたら辛くなった”とか言い出して、突然手首を切ろうとして…」 A:「……」 |
このとき、Aさんはこの話題について他に何か話したいことがあったのかもしれません。しかし、Bさんが話の方向を決めてしまったせいで、会話が途切れてしまっています。
●いきなり質問で返さない A:「加護亜依、また自殺未遂だって!!」 B:「へえ、なんで自殺なんてしたんだろう」 A:「彼氏が逮捕されたらしいよ」 B:「そうなんだ! 逮捕って何やらかしたんだろうね。加護ちゃんも一緒にやってたんじゃない?」 A:「それはないと思うけど……」 |
これも、質問のせいで話の方向性が「自殺の理由」に決まってしまっています。これでは、Aさんは自分が本当に話したいことが話せません。聞き手が一番分かってほしいのは「出来事のあらまし」ではなく、「気持ち」です。質問をして、話を先に進めてしまう前に、相手の「感情」に注目して反応を返してあげましょう。
●相手の「気持ち」に反応する A:「加護亜依、また自殺未遂だって!!」 B:「そんな…! 心配だね……」 A:「本当だよ! 加護さんを苦しめる、汚い世の中なんて滅べばいいのに!」 |
ここでは、Aさんの口調に込められた心配そうな雰囲気を察知したBさんが「心配だね」という、相手の気持ちにフォーカスした反応を返してあげています。自分の気持ちに共感してもらったAさんは、すっかり打ち解けて過激発言まで飛び出していますね。そうなると、会話も俄然盛り上がってきます。
●話をせかさず、相手が核心部分を話すまで待つ A:「加護亜依、また自殺未遂だって!!」 B:「ええっ!? そうなんだ…(黙り込む)」 A:「加護さんが心配だよ…!」 |
話を聞いていても、その人が「今どういう気持ちなのか」「どんな話がしたいのか」が分からないこともあります。そんなときも、闇雲に質問したり自分の話をしたりするのではなく、しばらく穏やかな表情で相手を見て、相手が話出すのを待ってみましょう。
●相槌はリアクションよく、反応に変化をつける
●「大変ですね」「よかったですね」は禁止! 「災難でしたね」「楽しみですね」「さすがですね」などバリエーション豊富な共感ワードを持とう
――会話が盛り上がる「話題選び」のコツ
●ちょっとした気持ちを表現する
会話を盛り上げるには「自分の気持ちを表現する」のが基本! こちらから自己開示するすることで、親しみを感じてもらえます。とはいえ「隠された心の闇」「過去のトラウマエピソード」「殺意が湧いた瞬間」といったような激しい感情を吐露する必要はなく、「おつりを10円多くもらっちゃった、ラッキー!」など、ちょっとしたことで大丈夫!
●「普段の行動」を話題のタネに
「すべらない話」「気が利いた話」をしようとこだわると、なかなか話題が出てこなくてあせってしまいます。日常会話においては、話題のタネというのは些細なもので十分。「朝、起きてから仕事に行くまでの過ごし方」というテーマでも「メイクに2時間かけてる」「最近お気に入りの朝ごはん」など、その人の人柄がにじみ出るようなエピソードで盛り上がれます。
●自分の「弱さ」「いたらなさ」を出していこう
この本の著者は、女性との会話に悩む男性には「自分がいかにモテないかを上手にエピソードにできたら、すごくモテるようになりますよ」とアドバイスしているそうです。確かに……! カラスヤサトシ(マンガ家)も、小谷野敦(作家)も、非モテをネタにした作風になってから結婚してる……! とはいえ、これも「覚せい剤から抜け出せなくて」などカワイイでは済まされないレベルの弱さを打ち明ける必要はありません。「朝が弱い」レベルで十分です!
――試してみた
というわけで、さっそく本で学んだ会話術を実践にうつすことに!
実践の場所はファッション業界人が集まる謎のパーティー。このアウェー感溢れる状況を本1冊で乗り切ろうとしているなんて…という気もするけれど、よく考えたら、私レベルのコミュニケーション不全患者にとっては世の中の全てがアウェー。「私は今まで、学校の教室や会社のお昼休みで、何度もスカウターが振り切れるほどの場違い感を乗り切ってきた歴戦の勇士」と言いきかせ、パーティー会場に赴くことに。
パーティー会場でまず求められるのが、自己紹介。「安全ちゃん」という名前が原因で不審な視線を向けられ、いきなり心は氷点下に…。しかし、相手に打ち解けてもらうには、まずこちらが心を開かなければ…。めげずにコミュニケーションをとっていくことに。
しばらくすると会話に詰りはじめたので、さっそく「朝時間の過ごし方」を聞いてみたところ、なぜかその場にいた人全員朝は玄米を食べていることが発覚! ファッション業界にいる人々のナチュラル志向ぶりに驚きつつ、私も実は玄米派であるため、玄米の焚き方で盛り上がりました。しかし、基本的にブルジョアジーな彼女たちは無農薬の高級玄米を食べており、素性不明の特売玄米を食べている私との階級格差を感じずにはいられない…。
本のアドバイスを実践したことにより会話が盛り上がり、気をよくした私は続いて「自分の弱みを語ると、親しみを持ってもらえる」というテクニックを試してみることに。非モテをアピールすることがモテに繋がるというのなら、友達いないアピールによって友達を作ることができるはず!
そんな期待を込めて「携帯のアドレス帳に仕事以外の人が7人しかいない(家族含む)」などの友達いないエピソードを語ったところ、場は騒然…! 「それで生活が成り立つのか?」「人間不信になる出来事があったのか?」などの質問が殺到し、ある意味その場は盛り上がりました。…でも、どう考えても誰も私に親しみは感じていない! むしろ、その場のオシャレな空気さえ歪ませるドン引きオーラが場に充満。「これから友達がたくさんできるよ」と慰められてしまいました。
もしかしたら「友達がいない」というのはオシャレピープルにとっては重すぎるエピソードだったのかも…。さじ加減を掴むまで、めげずに何度も挑戦していかなければ! と心に誓った私でした。
安全ちゃん 今回の野望達成度!
●11/20 15:30~ 原宿VACANT「原宿シネマ」で安全ちゃんが映画館の一日館長を務めます!
安全ちゃんと一緒に映画の登場人物たちの人生を追体験できる、人生すごろく大会も。
⇒原宿シネマ
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