「これ、お金取れるんじゃない？」と言わせたい！ “褒め言葉”からの逆引きレシピ【4品作ってみた】

　周りはみんな結婚したり、婚活をしたりしているのに、いま一つ結婚願望がわかない。いろいろと理由はあるものの、一番は、「旦那さんに毎日ご飯を作っても、“美味しい”のひと言もない」という話をよく聞くからだと思う。せっかく愛情こめて料理をしても、当たり前と思われては虚しいばかりだ。

　そこで手に取ったのが、『手間をかけずにこの「ほめ言葉」が聞こえるレシピ』（小田真規子/文響社）。このレシピで作ればこんな“褒め言葉”が聞けますよ、という斬新な内容だ。なかでも、「こんなこと言ってもらえるなら、結婚もいいかもなぁ」と思ったレシピを4品、作ってみた。

「これ、お金取れるんじゃない？」（P.94 カリふわ自家製がんも）

【作り方】お豆腐に万能ねぎとにんじん、すりおろした長芋と調味料を加え、まぜる。こぶし大に丸めて、フライパンで揚げる。
「え？ そう？ 定食屋さんとか始めちゃおうかな」と、思わず調子づいてしまいそうな褒め言葉。一見、難易度が高そうだが、作ってみると、「家でこんなに美味しくできるんだね」「買う必要ないよね」など、想定外の褒め言葉を自ら生み出すこととなった。

「味見でぜんぶなくなりそう」（P.51 わかめのプリッと炒め）

【作り方】水に戻した乾燥わかめを炒め、炒りごま、調味料を加える。
　そうか。結婚したら、旦那さんが味見をしてくれるんだな。「味見でぜんぶなくなりそう」、「ダメダメ！ 夕ご飯、食べられなくなっちゃうから、もう食べないで！」、「いいじゃないか、ケチ！」という蜜月なやり取りをするんだな。ムフフ…と妄想しながら作ったわかめ炒め。我ながら絶品（レシピが秀逸）。

「大盛食べてるみたい」（P.106 野菜のほうが多いパスタ）

【作り方】ニンニク、唐辛子、オリーブ油をフライパンで炒め、茹でたスパゲッティ、キャベツ、ブロッコリーを加える。
　ダイエット中の旦那さんをサポートすべく、ヘルシー料理に挑戦！ 兎にも角にもたくさん量が食べたい旦那さんに言わせたい褒め言葉。スパゲッティを通常の半分（50g）にして、その分、野菜でカサを出す。最後にバターを加え、ヘルシーながら濃厚な味わい。

「疲れてたけど元気でてきた」（P.70 おうち焼き肉）

【作り方】牛カルビ肉に、長ねぎのみじん切り、しょうゆ、酒、炒りごまなどをからめ、フライパンで焼く。サニーレタス、白髪ねぎを添える。
　家族のために働く企業戦士の旦那さん。仕事のトラブルであちこち頭を下げ、憔悴しきって夜遅くに帰宅。せめて美味しいご飯で癒してあげられるなら、もう褒め言葉なんていらない！…そんな妄想ふくらむ、究極の褒め言葉。そして、ほんとうに元気が出るレシピ。
※付け合わせに、もやしのナムル（P.44）。褒め言葉は、「焼き肉屋さんのあの味だ」。

　“褒められ”シチュエーションをあれこれ妄想しながら料理をしたら、すっかり結婚気分を味わうことができた。結婚っていいものだな。もうお腹いっぱい。…このまま独身でいいかな、という気がしている。

文＝尾崎ムギ子