『リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード』公開! 潘めぐみ&日笠陽子、ライバルふたりが語るその魅力は?
更新日:2015/10/9
定番ジャンルながら、今どき意外と珍しい!? 王道の魔女アニメ『リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード』が10月9日から2週間限定で劇場公開されます。
『リトルウィッチアカデミア』は2013年にアニメーター育成プロジェクト「アニメミライ」のために制作されたアニメ作品で、国内のみならず海外でも高い評価を得ました。その続編がクラウドファンディングでの支援によって制作が決定し、いよいよ披露されるのです(※詳しくはこちらの吉成曜監督の記事もご覧ください)。
今回はそんな『リトルウィッチアカデミア』の主人公であるアツコ・カガリ役の潘めぐみさんと、そのライバルであるダイアナ・キャベンディッシュ役の日笠陽子さんに話を伺いました。作中ではなかなか反りが合わないふたりですが、『リトルウィッチアカデミア』については息を合わせて大絶賛で……?
――おふたりがメインで共演されるのはアニメミライ版が初めてでしたか?
潘:ちょうどそのころから共演は少しずつ増えていて、現場で会った時に「もしかしてご縁があるのでは」と感じていました。
日笠:そうそう。でも『劇場版イナズマイレブンGO vs ダンボール戦機W』では、お互いに戦っているのを眺めていただけでしたし。
潘:『劇場版 とある魔術の禁書目録 -エンデュミオンの奇蹟-』では陽子さんは最前線で戦っている役だったけど、私は魔女っ子3人のうちひとりで、役として接点がなかったんです。きちんとキャラクターが会話をしたという意味では、アニメミライ版のアッコとダイアナが初めてですね。
日笠:でもアニメミライ版のオーディション時に私とハンメグが一緒の時間だったんです。しかも同じ時間帯にシャイニィシャリオ役の日髙のり子さんもいて。それを考えると、確かにご縁は感じますね。
――アニメミライ版は国内、海外問わず人気で、満を持しての続編となりました。今回の経緯についてどう感じますか?
潘:たくさんの方に支援されて実現したのでありがたいですし、みなさんと一緒に作っているという感じがしますね。Youtubeで字幕を付けて全編公開したアニメミライ版に、頑張ってローマ字で「ARIGATO」とコメントが付いているのを見て、海外人気も実感しました。
日笠:そこは「Thank You」でいいでしょ!(笑)
潘:でも頑張って日本語で感想をくれて、うれしかったです。映画版の最後でスタッフロールが流れますが、それを見ると本当に愛情で実現した魔法のような映画だと思います。
――演じられているキャラクターについて教えてください。
潘:アッコは明るくて快活でまっすぐで、純粋な女の子です。それゆえに周囲を巻き込んでしまうこともありますが、きちんと仲間思いなところもあって……いい子なんですよ。でもそんなアッコも今回の劇場版では壁にぶち当たって、落ち込みます。そんな彼女の明るさの裏側みたいな部分も見られて、今回でよりアッコが人間らしくなったと思います。
日笠:ダイアナはパッと見では優等生でクールなお嬢様です。でもアニメミライ版のアッコがシャイニィに憧れるシーンで、ダイアナも同じように憧れているんですよね。それくらい純粋なハートを持っている子です。アッコとぶつかっていくなかで成長していて、お互いに高め合うような関係ですね。
潘:確かに、私もアッコを演じていて、ダイアナに色んなものをもらっていると感じます。
日笠:ダイアナとアッコって向かい合うんじゃなく、背中合わせみたいなイメージ。そっぽを向いているけどふたりの芯は一緒で、お互いに背中を預けられる関係です。
潘:憧れに対してはまっすぐなところが一緒で。でも陽子さんが仰るとおり、背中合わせって表現がピッタリですよね。
日笠:やった!(笑)
――アッコの周辺も魅力的なキャラクターばかりです。お気に入りのキャラクターは?
日笠:気になるのはスーシィ。個性的な見た目で人気が出るだろうし、やってみたいとも思ったけど、絶対に私にはできないと思いました。すると村瀬迪与さんが本当にピッタリの声をあてていて、「よくこんな人材を見つけてきたな!」と驚きました。
潘:私は劇場版で初登場のコンスタンツェかな。村川梨衣ちゃんが演じているんですが、実は劇中で喋ってないという(笑)。コンスは息遣いくらいで、彼女が操る人形のほうが喋っています。アフレコでも「あれ、今日梨衣しょん喋った?」みたいな感じでした。
日笠:(モノマネで)「台詞より普段のほうが喋ってるよ」とか言いながら、ワーってやっていましたね。
――収録時の思い出は?
日笠:コートを着ていたのを覚えているので、3月くらいに収録しました。今回は尺も長いし、予想以上に収録に時間がかかって、かなり深い時間になったんです。そこでスタッフさんが近所の弁当屋で大きいおにぎりと、喫茶店のサンドイッチセットを買ってきてくださって。その組み合わせがアニメミライ版の時と同じで、「これと同じ絵面、見たことある!」と思ったことを覚えています。
潘:そうそう! でも遅い時間だったのでお腹に染み渡りましたよね~。現場はみんなハイになっていって、私も全身全霊をぶつけました。おかげでその晩はぐっすりと眠れましたのを覚えています(笑)
――TRIGGER作品は絵のクオリティも高いです。印象的な場面はありますか?
日笠:魔法を使うシーン全般です。魔法ってビビッドな色で描かれるイメージがありますが、『リトルウィッチアカデミア』はもう少し柔らかい色使いで描かれていると感じますね。私はシャイニィシャリオが「魔法を使うわよ」と言ってショーをするシーンがすごい好きで。
潘:私もそのシーンが大好きですね。『リトルウィッチアカデミア』の始まりのシーンですし、あまりに惹きつけられて、それこそアッコとダイアナみたいな気持ちになって演じてしまいました。あのシーンだけで現場の皆さんはどれだけの時間と労力と、枚数がかかったのかと思うともう(笑)
――おふたりにとって魔女っ子と言えば?
潘:私は『おジャ魔女どれみ』かな? ほうきで飛んで魔法を使う、というイメージ通りの魔女ものは、リアルタイムではほかになかったかも。アニメ以外だと『ハリー・ポッター』シリーズの雰囲気が『リトルウィッチアカデミア』に近い感じがします。
日笠:そう考えると『リトルウィッチアカデミア』みたいな王道の魔女ものって、アニメでは最近ないのかもしれませんね。あとは少し前だけど『魔女の宅急便』とか?
潘:そう言えばアニメミライ版で高山みなみさんが教官役で出てきましたけど、あそこは「魔女の先輩だ!」ってなりますよね。しかもほうき乗りの授業で、あれはずるいと思いました(笑)
――最後の質問です。『リトルウィッチアカデミア』の世界観ならいくらでも話が作れそうです。今後、もし続編があるとしたらどんな話が観たいですか?
日笠:『リトルウィッチアカデミア』って、授業で地下に行くとか街のパレードを成功させるとか、意外と近いところばかり行っているんですよね。だからいずれは遠足したいです。遠足って言うとダサいから課外授業か(笑)。あと別の学校とかないのかな。
潘:『ハリー・ポッター』みたいに、男女共学というか男の子の魔法使いがいてもよさそうですよね。
――年頃の魔女がメインですし、恋愛模様も見たいですよね。
日笠:ダイアナとか素直にならないんだろうな~(笑)
潘:今回、ダイアナにポッとなるガキんちょが出てきましたけど(笑)。恋模様がたくさん詰まった『りぼん』でマンガも連載されているので、そちらに期待でしょうね。アッコに恋愛のイメージはないですけど。
日笠:あったとしてもほんわかした恋愛かな。
――ただ、その『りぼん』版では男子生徒も出てきて恋愛をするようです。
日笠:えー!(笑)
潘:アッコが恋するって! でも惚れやすそう(笑)。これは『りぼん』版も必見ですね。私は彼女たちの日常や過去を見てみたいです。休日の過ごしかたとか、なぜアッコたちは3人グループでいるようになったかとか……色々観てみたい話が多すぎますね。
日笠:これはもう、5年くらいのシリーズをやっても尺が足りないな(笑)
――続編も期待しています。ありがとうございました。
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取材・文=はるのおと