フランスで人気沸騰! 焼くとなぜか3つの“層”ができる「魔法のケーキ」【作ってみた】

食・料理

更新日:2019/6/13

魔法のケーキ』(荻田尚子/主婦と生活社)

 チーズケーキ、パウンドケーキ、シフォンケーキ……。甘くてふわふわ、またはしっとりした生地は、スイーツ好きを虜にする特別な力を秘めている。そんな定番ケーキももちろんいいが、たまに変わったケーキを見つけると、それはそれで気になるし食べてみたくなる。そこでご紹介したいのが、『魔法のケーキ』(荻田尚子/主婦と生活社)。このケーキ、1つの生地を作って型に流して焼くだけで、なんと3つの“層”ができあがる、まさに「魔法」のようなケーキなのだ。

『Le Gâteau magique』

 ふわっふわの「スポンジ生地」に、濃厚まろやか「クリーム生地」、しなやかな食感の「フラン生地」の3層からなるこのケーキは、フランスの料理研究家が、フランス発祥のMillas[ミラス](またはMillasson[ミラッソン])という伝統菓子を元にしつつ開発したGâteau magique(ガトーマジック)というもの。フランスで注目を集め、人気が急上昇している。それを日本人の好みに合うよう、より質感を大切にするレシピにアレンジしたのが、本書だ。

 今回、菓子研究家として様々なレシピ本を手掛けている、『魔法のケーキ』の著者・荻田尚子さんご本人に教えていただきながら、本書に掲載されている「塩キャラメル味」の魔法のケーキに挑戦してみた。

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<材料>

塩キャラメル
・水 ・グラニュー糖 ・生クリーム ・塩 小さじ ・バター 
卵黄生地
・卵黄 ・バター・薄力粉 ・牛乳 
メレンゲ
・卵白 ・グラニュー糖 

<作り方>

 まずは、水とグラニュー糖、生クリーム、塩とバターの順番に鍋に入れて加熱し、塩キャラメルを作る。「水とグラニュー糖を入れた段階で、混ぜたりせずに茶色くなるまで静かに加熱するのがコツ」とのこと。



 続いて卵黄生地。ボウルに卵黄を入れてほぐし、バターを加えて混ぜる。薄力粉を加え、粉っぽさがなくなったら塩キャラメルを加えて混ぜる。ここで粘りが出るまでしっかりまぜるのが成功への道だそう。あとは牛乳を数回に分けて入れ、生地が液状になれば卵黄生地は完成。



 ボウルに卵白とグラニュー糖を入れてハンドミキサーでメレンゲを作り、それを卵黄生地に加える。泡だて器で底から救い上げるように数回混ぜたら、オーブンシートを敷いた型の上に流し込む。



 流し込んだ型をバットに乗せ、バットにお湯を入れて150度に予熱したオーブンで湯煎焼きにする。竹串を刺してみて、とろっとしたクリーム状の生地がつけば完成だ。



<焼き上がり>

焼きあがったケーキを冷蔵庫で少し冷ますと、こんな感じに

写真では少し分かりにくいかもしれないが、実際に食べてみるとちゃんと3層に!

 塩キャラメルのほろ苦さと甘さ、3層の生地の食感の違いが嬉しい、今まで食べたことのないケーキに仕上がった。これはぜひともマスターして、友人や家族に作って自慢したい!

 作る前は、生地が3層に分かれるなんてさぞかし難しいのだろう、とドキドキしていたが、実際に作ってみると思いのほか難しい工程はなく、簡単に作ることができた。荻田さん曰く、「メレンゲと卵黄生地を混ぜすぎないことと、焼き時間の調節(心配なら長めに焼くこと)が、うまく焼き上げるコツ」とのこと。本書『魔法のケーキ』には、いちじくやバナナ、マンゴーなどのフルーツの入ったものや、キッシュみたいな塩味の生地で作るおかず系、ハロウィンやクリスマスに大活躍しそうな可愛くデコレーションされたものなど、たくさんの魔法のケーキが掲載されている。また、レシピ1つ1つに細かくコツが書かれており、初めてでもちゃんと作れるよう配慮がなされているので、初心者でも安心して取り組むことができる。

 世界各国には、まだまだ見知らぬケーキやスイーツがたくさん存在する。この魔法のケーキのように海外で愛されているスイーツを、1つでも多く食べてみたい。そう思うのは私だけではないはず!

文=月乃雫