「幸せってのは満腹の向こう側にあるんだよ」Twitterで大人気の「意識の高いデブ」氏に突撃インタビュー!

マンガ

公開日:2015/10/17

『意識の高いデブ』(意識の高いデブ:著、サドルとペダル:画/KADOKAWA)

 「デブ」と聞いて、あなたはどんなことを思い浮かべるだろうか? 大抵の人は、汗っかき、怠惰、だらしないなどのネガティブなイメージを抱くはず。しかし、それは大きな間違いなのだとか。デブに対してそういったイメージを抱いてしまうのは、それまで“意識の低いデブ”しか見てこなかったから。そう断言するのが、twitterで人気のアカウント「意識の高いデブ」氏。デブにまつわる数々の名言を呟いてきた彼は、このたび発売された自著『意識の高いデブ』(意識の高いデブ:著、サドルとペダル:画/KADOKAWA)のなかで、「意識の高いデブには清涼感があり、徹底した自己管理の末に高水準な体重を維持している」と明言している。

 …デブなのに意識が高いとは、これ如何に。考えれば考えるほどわけがわからなくなってしまったので、今回は、意識の高いデブ氏にインタビューを敢行してみた!


――意識の高いデブとして、ツイートをしようと思ったきっかけを教えてください。

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意識の高いデブ氏(以下、意):私自身は日頃から太っていることをネタにするなど、どちらかといえばデブ=長所だと思っていたのですが、「太っていることを気にして外出できない」という悩みを抱えている人が増えているというニュースを見て、衝撃を受けたんです。そこで、デブであることをマイナスに捉えがちな風潮にアンチテーゼを唱えたい、そして太っていることの素晴らしさや誇れる部分を発信したい、という思いでtwitterを始めてみました。

――ちなみに、差し支えなければ、最高体重を教えてもらえますか?

:現在、108kgあるんですが、過去最高ですね。あとひと押しで“煩悩の数”を超えられるんです!

――そ、それはすごい…。(気を取り直して)本書では、数々の格言がまとめられていますが、お気に入りのものはありますか?

:いくつかありますが、「知ってるか?幸せってのは満腹の向こう側にあるんだよ」「デブがモテないんじゃなくて、デブであることをネガティブに考えるからモテないんだよ。自信を持て。デブであることを誇れ」とかがお気に入りです。あと、「おい、コンビニ店員よ。俺は弁当を5個買ってんだぞ?何故箸を…1膳しか入れない。だが店員よ…お前は正しい。圧倒的に正しい」という発言もありますが、これは実体験が元になっています。しかも余談ですが、このコンビニで細身の友人が弁当を1個買ったときは、箸が2膳入っていたという事例もあります。


――なるほど、実体験からも格言は生まれているんですね。では、意識の高いデブとしての活動を始めてから、印象に残っている出来事はありますか?

:「意識の高いデブだけど、何か質問ある?」と呟き、寄せられたすべての質問に答えていった企画が印象に残っています。「迷ったら、マヨッとけ」や「痩せ我慢の対義語はデブ大暴れ」というフレーズも、この企画から生まれたんです。



――具体的にはどういう質問が集まって、どう答えられたんですか?

:いくつか挙げると、「Q.食べることの次に好きなことは何ですか? A.次何を食べるか考えることかな」「Q.1日何食食べていますか? A.何食、というより常に食ってるよね。だから一食かな」などでしょうか。ちなみに、最終的に2時間かけて150件近い質問に回答したのですが、その結果、300人フォロワーが減りました。

――せっかく答えたのに(笑)。そうそう、意識の高いデブさんから見て、「意識の高いデブ」を体現しているデブタレントさんっているんでしょうか?

:東はマツコ・デラックスさんです。マツコさんが仰っていた、「炊きたてのご飯を釜のまましゃもじで食べる」という方法を実践してみたら、最高に美味しかったので。それ以来、尊敬の念を抱いています。西は横山ともやさん。「まず、白米ありき」が口ぐせの彼とはプライベートでも仲良くさせていただいているのですが、その生き様にインスパイアされて生まれた格言もあります。

――へ、へぇ~。「デブ最高!」の流れをぶった斬るような質問をしてもいいですか? ぼくは昨年の夏から一年かけて、約12kgのダイエットに成功したんですが、その結果、リバウンドが怖くて食事が楽しくなくなってしまったんです…。これ、いったいどうすればいいんでしょうか?

:それはシンプルです。お腹いっぱい食べて、それでリバウンドするようであれば、その体重こそが真の適正体重ということ。だから、なにも気にせず、本能のままに食べましょう!

 ここまで読んで、「でも、デブって女子に嫌われるじゃん…」なんて思ったあなた。それは大間違いだ。なんと、彼には10年以上もお付き合いをしている彼女もいるのだ。こりゃあ、意識の高いリア充デブじゃないか! ちなみに彼女は、現在「意識の高い貧乳」として活動しているらしい。二人は意識の高い者同士、日々切磋琢磨し合っているという。なんともうらやましい話だ…!

一般的に「欠点」だといわれるポイントも、視点を変えれば長所になり得る。すべては自分次第。ネガティブな意識さえ変えれば、毎日は豊かになるのだ。身をもってそれを教えてくれた意識の高いデブ氏は、きらきらと輝いて見えた(いや、汗のせいではなく)。

文=前田レゴ