「漫画家のレベルを超えてるよ」京都・東本願寺で井上雄彦の親鸞屏風絵を3日間限定展示
公開日:2015/11/1
漫画家・井上雄彦の見事な巨大屏風絵が、京都・東本願寺渉成園の秋の特別公開で2015年11月1日(日)~11月3日(火)の3日間限定で展示されることになった。これに対し「もう漫画家の域じゃない、芸術家だよ」と大いに関心が集まっている。
『バガボンド』や『リアル』などの作者でお馴染みの井上。『スラムダンク』はバスケットボールブームの火付け役にもなり、熱いストーリーと言葉に世代を超えて愛される存在になっている。現在は漫画家という肩書きである井上だが、「最終的にはただの絵描きになりたい」とも語っており、最近では『円空を旅する』を出版し、円空の仏像について語ったりスケッチしたりと、新たな分野でも活躍している。
今回展示されるのは宗祖・親鸞(しんらん)の屏風絵。これは2011年に親鸞の七百五十回御遠忌を記念する現代アート事業として依頼を受け、描かれたもの。大きな屏風に書ける喜びから筆をとり作品作りに取り組むも、プレッシャーなどで筆が止まることもしばしばあったという。しかし「ここで止まっちゃダメだ、一人の人間を描くのだ」と気持ちを切り替えて描き続け、震災の前日、3月10日に東京のアトリエで描き上げたそうだ。
苦労した末に完成した、高さ212cm、幅582cmの壮大なスケールの親鸞屏風は、2011年4月4日から東本願寺内の大寝殿で一般公開され、2万人を超す拝観者が訪れた。それから何度かの展示を重ね、2015年も2014年に引き続き、東本願寺・渉成園で公開を行うこととなった。
過去の展示会で見てきた人からは「写真で見るのと生で見るのは本当、全然迫力違うから見に行くべし!」「今年は絶対見に行く!」「本当感動しかない」など、そのスケールを称賛する声が。
過去の展示会で見てきた人からは「写真で見るのと生で見るのは本当、全然迫力違うから見に行くべし!」「今年は絶対見に行く!」「本当感動しかない」など、そのスケールを称賛する声が。
また、今までも展示されてきたとはいえ初めて作品を見る人も多く「さすがですな、保証された上手さだわ」「迫力あるし、見事なもんだよなぁ」「マンガタッチなのが逆にいい味出してる!」と、マンガで培われてきた画力が水墨画でも見事に表現されており、好評を得ている。さらに「上手すぎだろ、俺は逆にこういう路線やるの面白いと思う」「漫画家としても芸術家としても才能を開花させられるのって普通に凄い」「これは漫画家のレベルを超えてるよ」と、新たな路線を応援する声も聞こえてきた。
建築家のアントニオ・ガウディとのコラボレーション特別展「ガウディ×井上雄彦 -シンクロする創造の源泉-」を開催するなど漫画家以外にも、“絵描き”として才能を発揮し続ける井上。絵画であれ漫画であれ、今後も歴史に残るような超大作を描き続けてくれることを期待したい。