人気児童書『グレッグのダメ日記』最新刊発売&著者初来日記念イベントレポート

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/17


 全米No.1の売上を誇る『グレッグのダメ日記』10巻が、2015年11月3日(火)に発売された。同書は、全世界45カ国で販売され、1億5,000万部という驚異的な部数を獲得している人気児童書。著者のジェフ・キニーは、2009年にはTIME誌の「世界で最も影響力のある100人」に選出。そして2015年には、Forbesの「世界で最も稼ぐ作家ランキング」でも5位にランクインしている。

 そんなジェフが待望の初来日をはたした。第10巻の発売とジェフの来日を記念して、11月3日(火)にPRイベントが開催されたので、2部構成で行われたイベントレポートをお届けしよう。

<1部>
1部では、『グレッグのダメ日記』10巻の特別応援サポーターとして、篠原信一とLiLiCoが登場してジェフを迎えた。

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 篠原の長女は「読めば読むほど、キレイ事だけでなく、あったことをそのまま書いてあるので、共感できて読みやすい」と本書をとても気に入っており、篠原自身も「小学生くらいにこの本に出会っていたら楽しい日記が書けただろう」とコメント。また、普段読みながらニヤけている篠原を一番下の子が見て興味を持ち始めたと、一家でファンであることを明かす。LiLiCoは「色々な国で目にすることがよくある。映画がキッカケで知った。この本は子供だけでなく、どんな世代にも楽しめる本です」とコメント。

 イベントでは、篠原とLiLiCoが自分の幼少期の“ダメ日記”をジェフ・キニーに直々にプレゼンテ―ション。「面白ければ、次巻に採用されるかも」と聞き、2人は猛アピール。篠原は「柿事件」とタイトルをつけたエピソードを披露。頑固でうるさいおじいさんが居る家の柿の木から、勝手に柿を取って食べるのをたまたま見つかり「コラーッ」と追いかけられて逃げたところ、一番背が大きいので逃げる時も目立って後で呼び出しを食らう、といったダメ話を紹介した。ジェフも、ちょっと失敗しても前向きに取り組むところがグレッグに似ているとコメント。LiLiCoは「お母さんの花柄パンツ」と題し、お母さんの花柄のパンツを見せたくて、ズボンの上に履いて出かけていたことを明かしたところ、「女性の書くダメ日記は新鮮で非常に面白かったです!」とジェフも驚いたようだ。

 今回10巻の発売を迎えたジェフの更なる目標を尋ねると、「世界中の子ども達に会って、みんな共通であるということを伝えたい。言葉は全然通じないけれど、同じ本を読んできたという共通の言語をもって、みんなとコミュニケーションをとれると信じている」と読者に対する熱い想いのこもったコメントを残した。篠原も続けて「父親である私に、子ども達に世界一の家を建てて欲しい」、LiLiCoも「ハリウッドか、生まれ故郷のスウェーデンの映画に出演したい」とワールドワイドな目標を語った。


 最後に、元柔道家の篠原が気合いを注入した柔道着をジェフにサプライズプレゼント。篠原自らが着せたのだが、元柔道選手なのにも関わらず、「帯の結び方が危ない」とやり直すことに。「自分でする分にはできるんです。結んだらタテ結びになっていて…自分では着られますよ」と言い訳する場面もあり、会場の笑いを誘った。ジェフは今回初めて柔道着を着用し、「オリンピック選手に柔道着のプレゼントをもらえるなんて思ってもいなかったので凄く嬉しいです!」と喜びを語った。


<2部>
午後は、抽選で選ばれた200人以上の『グレッグのダメ日記』ファンの子ども達が招待され、『グレッグのダメ日記』フェスを開催。

 開演前のワークショップでは、子ども達が一生懸命、オリジナル缶バッジやお面を作成し、会場は熱気に包まれた。子供たちは大好きなキャラクターのお面を片手に、「3・2・1、ジェフさん~」の掛け声で、ジェフをお出迎え。


 「みんなが1番グレッグを気に入ってくれているから、日本を最初に訪問した」と話すジェフ。作家になった経緯や散歩しながらストーリーを考えるなど、普段の仕事の様子も明かした。また、今日は特別に子どもたちの前でグレッグやその他キャラクターを描写。子ども達は夢中になってジェフの姿を見つめた。


 その後、質問大会や子ども達のダメ日記が披露され、「どの子も素晴らしかった」と日本の子供のユニークな話に満足したジェフ。最後の記念撮影では、ジェフが埋もれるくらいの子どもの数。「グレッグ大好き~」という掛け声からグレッグファンの熱意が伝わってきた。ジェフからの「子どもであることを目一杯楽しんで!」というメッセージで本イベントが締めくくられた。


■『グレッグのダメ日記やっぱり、むいてないよ!』10巻
著:ジェフ・キニー
訳:中井はるの
価格:1,200円(+税)
発売日:2015年11月3日(火)
出版社:ポプラ社

「むかしより、今のほうが暮らしやすいって?それってホント??」グレッグの暮らす町で、エネルギーの節約や節電をすることに。現代の便利な生活しか知らないグレッグは、家でも外でも節電をしようといわれる中、生きのこる方法を見つけることができるのでしょうか・・・? 世界中の子どもたちが待ちに待ったシリーズ最新刊!

ジェフ・キニー
1971年2月19日生まれ。『グレッグのダメ日記』シリーズを執筆するかたわら、オンラインゲームの開発者およびデザイナーとしても活躍している。現在はニューイングランド地方マサチューセッツ州南部に、妻ジュリー、2人の息子ウィル、グラントとともに暮らしている。2015年、念願の書店をオープン。