暮らしのスペシャリストと選ぶ新しい文学賞―第3回「暮らしの小説大賞」応募締め切り迫る!

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/17


 “暮らし”と“小説”をつなぐ存在になるべく、選考委員に暮らしのスペシャリストを迎え、2013年6月からスタートした新しい文学賞「暮らしの小説大賞」。同賞の特徴は、作品テーマが“衣・食・住”であれば、ジャンルや小説の執筆経験の有無は不問で、誰もが気軽に応募できること。見事大賞に輝けば単行本として出版され、全国の書店に並べられる。つまり作家デビューが約束されているのだ。

 過去2回の選考では、第1回が高森美由紀の『ジャパン・ディグニティ』、第2回は丸山浮草の『ゴージャスなナポリタン』が大賞を受賞した。


 現在、第3回「暮らしの小説大賞」の原稿を2015年11月25日(水)まで募集中だ。本気で小説家になりたいと思ってる人はもちろん、小説とは縁のない人生を送ってきた人も、ジャンルやスタイルにとらわれない自由な発想で応募してみよう!

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■第3回「暮らしの小説大賞」募集要項
内容:生活・暮らしの基本を構成する「衣食住」のどれか一つか、もしくは複数がテーマあるいはモチーフとして含まれた小説であること。
資格:プロ、アマ不問。原稿は未発表の作品に限る。
※他の文学賞との二重投稿は受付不可
応募原稿:400字詰め原稿用紙換算で200~500枚程度、もしくは8~20万字程度。
短編の場合は、作品集として相当字数のもので応募。(※作品集でひとつのファイルにまとめて応募)
応募締め切り:2015年11月25日(水)
賞:大賞受賞作は単行本として出版。単行本出版の際には弊社規定の印税が支払われる。
主催:産業編集センター出版部
⇒応募フォームと詳細はこちらまで

<第2回「暮らしの小説大賞」受賞作品>


■『ゴージャスなナポリタン
著:丸山浮草
価格:1,200円(+税)
発売日:2015年10月16日(金)
出版社:産業編集センター

80年代ポップ文学を彷彿させる文章スタイルで、今を生きるアラフォー世代の姿を風変りに描く。普段あまり小説に縁がない人にも読みやすく、情けない主人公の姿に苦笑しつつも、同情しているうちに自分が元気になれる不思議な作品。

<第1回「暮らしの小説大賞」受賞作品>


■『ジャパン・ディグニティ
著:高森美由紀
価格:1,300円(+税)
発売日:2014年10月17日(金)
出版社:産業編集センター

うだつのあがらない漆職人父娘の挑戦を、ひたむきにコミカルに描いた青森発“もの作り小説”。

<暮らしの小説大賞 選考委員>
飯島奈美(いいじま・なみ)
フードスタイリスト。東京生まれ。CMなど広告を中心に活動。映画「かもめ食堂」、「海街ダイアリー」、連続テレビ小説「ごちそうさん」、「深夜食堂1・2・3」など映画やドラマのフードスタイリングも手がける。著書に『LIFE なんでもない日、おめでとう!のごはん。(1巻、2巻、3 巻)』、『飯島風』、『深夜食堂のレシピ帖』など。

「ありそうでなかった『暮らしの小説』。選考委員に選んでいただいて、嬉しく思います。暮らしものをとても楽しみにしています。『何でもない日』の見過ごしてしまいそうな思いや言葉が大切に感じられるような物語を期待しています。」

石田千(いしだ・せん)
作家、エッセイスト。1968年福島県生まれ、東京都育ち。國學院大學文学部卒業。2001年「大踏切書店のこと」により第一回古本小説大賞を受賞。おもな著書に、『あめりかむら』『きなりの雲』『夜明けのラジオ』『きつねの遠足』『もじ笑う』、最新刊に『唄めぐり』がある。

「壮大な長編にも、愛らしい掌編にも、そこに暮らすひとが書かれています。おなじ電車に乗りあわせても、ひとりとしておなじ生活はありません。百人百様である暮らしは、書き手の個性をいかせる題材です。受賞作となる一冊を、創作の出発点としてくださる書き手との出会いを期待しています。全力で拝読いたします。」

幅允孝(はば・よしたか)
1976年愛知県生まれ。有限会社BACH(バッハ)代表。ブックディレクター。本屋と異業種を結びつけたり、病院や企業ライブラリーの制作をしている。代表的な場所として、国立新美術館「SOUVENIR FROM TOKYO」や「Brooklyn Parlor」、伊勢丹新宿店「ビューティアポセカリー」、「CIBONE」、「la kagu」など。著書に『本なんて読まなくたっていいのだけれど、』ほか。

「くらしと小説。日々の瑣末で大変なあれこれと、小説という所謂フィクションが、どう結びつくものか? 僕もよくわかりません。けれども、物語を読んで生まれた感情が、日常のどこかの側面に作用することだってあると思えるのです。」