新たな『遠野物語』の誕生と話題沸騰! 『山怪 山人が語る不思議な話』発売から3カ月で5万部突破

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/16

 秋田・阿仁のマタギたちや、各地の猟師、山で働き暮らす人びとから、実話として聞いた山の奇妙な体験談を多数収録した『山怪 山人が語る不思議な話』。話者が自分で経験したことを語る物語にはリアリティがあり、かつ、とらえどころのない山の裏側の世界を垣間見させる。同書は創作怪談と異なる、現代版『遠野物語』ともいえる、フィールドワークの成果だ。

 2015年6月に刊行されるやいなや、多くの読者の支持を得て、発売約3カ月で5万部を突破。当初は怪談ファンからの支持が多かったのだが、その後「新たな『遠野物語』の誕生」として、文芸や民俗学方面からの支持も高まっている。そんな同書に、各界の著名人からも絶賛のコメントが!

「『日本霊異記』、『遠野物語』のように、後に読み継がれる山々の物語り。子供達にも読んでもらいたいと思いました。」佐野史郎(俳優)プライベート・メッセージ

「“山の怪談”の文学史に、ひとつの画期をもたらす好著である。」東雅夫(文芸評論家)『山と溪谷』9月号 書評

「これまでさまざまに語り継がれていても、なんと呼んでいいかわからなかったその分野に『山怪(さんかい)』という造語を充て、タイトルとしたのは秀逸である。この本の出版を機縁に、山怪という言葉が登山者や山好きの人々に認知され、敷衍していく予感さえ覚えるからだ。」高桑信一(フリーライター)『ワンダーフォーゲル』8月号 書評

 装画は、美術家・柄澤齊のオリジナル作品で、“山怪”の世界観を表現。装丁も美しく、陳腐な怪談本とは一線を画す同書。未読の方は、現代版『遠野物語』を体験してみてはいかがだろうか。

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■『山怪 山人が語る不思議な話
著:田中康弘
価格:1,200円(+税)
発売日:2015年6月6日(土)
仕様:四六版ソフトカバー/256ページ
出版社:山と渓谷社

田中康弘(たなか・やすひろ)
1959年、長崎県佐世保市生まれ。礼文島から西表島までの日本全国を放浪取材するフリーランスカメラマン。農林水産業の現場、特にマタギ等の狩猟に関する取材多数。著作に『マタギ 矛盾なき労働と食文化』『女猟師』『マタギとは山の恵みをいただく者なり』『日本人はどんな肉を喰ってきたのか?』がある。