半世紀かけてついに完結―空前絶後の情報量を誇る『新・国史大年表』

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/17


 従来の年表の概念を超えた空前絶後の情報量。政治経済、社会・文化のあらゆる分野を網羅した、全く新しい日本史年表『新・国史大年表』シリーズが、2015年8月26日(水)に発売された『新・国史大年表 索引巻』でついに完結を迎えた。古代から現代まで、あらゆる分野を網羅した全9巻(全10冊)+索引巻の全11冊となる。

 編集者の日置英剛(ひおき・えいごう)は、灘中・高等学校などで教鞭をとった人物。また父に、『国史大年表』や『ものしり辞典』『話の大辞典』などを著した歴史家の日置昌一を持つ。編集者の父が病に倒れた後は、『国史大年表』の話ばかりをしていたという。

 「学会・学者とは関係のない歴史好きな職人的な人の手によらなければ、よいものはできないだろう」。その言葉が後押しとなり、父の死後「自分がやってみよう」と思い、編集にいたったという。

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 「歴史の上でわかっていることをまとめるのだから、すぐにでも完成できるだろう」と考えてやり始めた日置だったが、5年、10年、20年やっても先が見えなかったと言う。肝心の出版の方も、原稿量があまりにも膨大になりすぎたため、何度も頓挫した。平均すれば毎日5~6時間机に向かい、40余年が過ぎた。そしてようやく迎えた刊行の時。父の想いをも込めた、平均ページ数1,100ページ、総ページ数は1万を優に越す『新・国史大年表』シリーズは、2015年に開催された「第49回 吉川英治文学賞」と「第69回 毎日新聞出版文化賞」を受賞することとなる。

 司馬遼太郎、田辺聖子をはじめとした著名人たちの熱烈推薦を受ける同書で、歴史を一望できることの喜びを堪能しよう。


■『新・国史大年表』全9巻(全10冊)+索引巻
編:日置英剛
題字:倉橋奇艸
価格:1巻~8巻 20,000円(+税)、9巻・索引巻 25,000円(+税)
仕様:B5判/上製クロス装/平均1,100ページ
出版社:国書刊行会

日置英剛(ひおき えいごう)
1935年(昭和10年)1月16日、鎌倉円覚寺黄梅院に生まれる。1958年、東京教育大学(現・筑波大学)文学部卒業。神戸に在住、滝川中・高等学校、灘中・高等学校などで教鞭をとる。