ホワイトハウスや米空軍省で導入された問題解決法とは

ビジネス

公開日:2015/11/27


 個人にしても企業にしても、これまで「いかにミスをなくすか」という部分でパフォーマンスを向上させようとしてきたが、実際には「見えない問題を見抜く力」を高めるほうが、よりパフォーマンスを発揮でき、論理的や分析的な方法よりも重要となる―。

 これまで実験室で研究されてきたスタイルを打ち破り、全米で一大ブームを巻き起こした「現場主義的意思決定理論(=NDM理論)」を生み出した認知心理学者、ゲイリー・クラインが、「人の目には見えない物事の本質を見抜く問題解決法」について迫った『「洞察力」があらゆる問題を解決する』が2015年11月5日(木)に発売された。

 ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマン教授や、『ティッピング・ポイント』の著者マルコム・グラッドウェルも推薦コメントを寄せている。

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「ゲイリー・クラインは、応用心理学の効果がどれほど有益であるかを実証してくれる、生きた手本だ」ダニエル・カーネマン

「ゲイリー・クラインほど、人間の意思決定の複雑さと不思議さについて詳しく教えてくれる人はいない」マルコム・グラッドウェル

 同書では、「NDM理論」を応用した問題解決法を、現場から「見えない問題を見抜く力」として検証。その正体に迫るべく、さまざまな出来事の事例を掲載している。

・山火事で迫りくる炎から生還した消防士
・真珠湾攻撃を編み出した山本五十六
・サブプライム問題で異変に気づいた5人の人物
・エイズを発見したゴッドリーフ医師
・デジタル革命に乗り遅れてしまったコダック社の悲劇
・品質向上を目指して失敗した「シックス・シグマ」
・イラクのミサイルを着弾1分前に気づいた将校

 ほかにも多くの事例を検証しながら、「IT管理における限界」や「組織が抑圧する原因」などを指摘し、どうすれば「見えない問題を見抜く力」を伸ばすことができるかという解答を導いていく。ゲイリー・クラインの理論は、個人や組織の新しい問題解決法として、技能・性能・生産性のパフォーマンスを向上させる大いなるヒントとなるだろう。

■『「洞察力」があらゆる問題を解決する
著:ゲイリー・クライン
訳:奈良潤
価格:1,836円(+税)
発売日:2015年11月5日(木)
出版社:フォレスト出版

ゲイリー・クライン(Gary Klein)
米国認知心理学者。1944年、ニューヨーク市出身。1969年にピッツバーグ大学で実験心理学の博士号を取得。1989年、「現場主義的意思決定(Naturalistic Decision-Making, NDM)理論」を構築したことで世界的名声を博す。オークランド大学助教授、ウィルバーフォース大学准教授を経て、米空軍省に研究者として勤務。1978年にR&D企業クライン・アソシエイツを創業。2005年に同社を売却。現在、マクロコグニション社の上級研究員。ホワイトハウス・シチュエーションルームのリーダーの1人として活躍した経験がある。米国心理学会、米国人間工学会の各役員。2008年、米国人間工学会よりJack A. Kraftイノベーション賞を受賞。