夫を虐げる妻と一緒に暮らしていくために必要な戦略とは

恋愛・結婚

更新日:2016/1/13


『なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略<』(石蔵文信/PHP研究所)

 愛する彼女と結婚して、彼女が妻に変わったら、人が変わってしまった……。しかも、愛した妻は自分のことを邪険にするばかりか、やることなすことケチをつけるようになった――と感じている男性は多いのではないだろうか?

 妻を気遣って皿を洗えば「洗い方が悪い」と怒られ、仕事から疲れて帰ってきたら、やれ「帰りが遅い」「給料が安い」と罵られ、挙句の果てには「あなたに愛想がつきました」と言われ、慰謝料まで請求され離婚されてしまう。

 優しかった彼女が妻になったことで、他の惑星の住人のように何を考えているか分からなくなった。なぜ妻の機嫌が悪いのか、まるで宇宙人か何かのように理解することができない。そんな「エイリアン妻」に対して夫ができることは、仕事人としてのマネジメント能力を活かす他には方法がない。

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 「長い」あるいは「短い」結婚生活を経て「妻が変わってしまった」と嘆いている男性諸君。『なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略』(石蔵文信/PHP研究所)を読んで、仮初でもいいから平穏な家庭を取り戻してみてはいかがだろうか。

 本書では、そのタイトルの通り、夫のことを毛嫌いするかのように夫を虐げる妻といっしょに生活するための“戦略”がいろいろと紹介されている。本書によれば、そもそも男女が結婚するのは、いっときの気の迷いであり、ドバドバと分泌されているホルモンによって引き起こされる常軌を逸した行動でしかないという。

 男と女が結婚することは、長い目で見れば決して得なことばかりではない。しかし、それに気がつかないのは過剰に分泌されるホルモンのせいであり、われわれは最初から理解できるはずがない彼女のことを「理想の女性だ」と勘違いし、結婚して妻にしてしまっているのだ。

 あなたが結婚し「妻は変わってしまった」と嘆いているあなたの妻は、昔から今と変わらず、ずーっとワガママだったのだ。歳をとって妻が変わってしまったと悲しむのは、あなたの思い違いにすぎない。女性は男性が気づかなかっただけで、赤ん坊の頃から変わらずワガママで、付き合っていた時から、本質的には何も変わっていない。

 円満な家庭を築きたいのであれば、妻をあれこれ変えようと努力するのではなくワガママを受け入れ「あきらめる」ことが肝心だ。

 本書で語られているエイリアン妻に対する夫の一番大事な心構えは、口うるさい取引先や顧客と接するのと同様に、相手を変えようとするのではなく、相手を変えようとすることを潔くあきらめ、自分を変えることだという。

 もちろん、男性にとっては気に食わないとは思うが、あなたの妻だってあなたのことを「エイリアン夫」だと思っている。

 女性も、男性が何を考えているか理解なんてしていない。そもそも男と女は一生理解しあうことなど不可能なのだから、お互いを変えようと思わず自分が相手にあわせたほうが利口だと言えるだろう。お互いを変えることをキッパリとあきらめ、仕事人としてのマネジメント能力を活かし、妻をサポートしたほうが、長い目で見て幸せな結婚生活を送ることができる。

 そのためには、本書を読んで「家庭内マネジメント」を勉強し、妻を上手にコントロールするすべを学ぶ必要があるのだ。

 妻の愚痴を適当に聞いていると、なぜ怒られるのか。イチイチ服を買うのにもあんなにも無駄な時間を費やすのか。そして、仕事を頑張り、家事を手伝っているのに、自分を罵るようなことをなぜ平気で言うのか。これらの夫が理解できない妻の行動に対するマネジメント方法が知りたければ本書を読んでいただきたい。

 ただ、すべてのマネジメント方法に共通して言えることは、仕事でクライアントと接するがごとく、相手を納得させるだけの努力をし、妻という爆発物に対し危機感を抱きながら、あらゆる事態に対して、対策を立て、実行に移すことが重要だということだ。

 数多の先人が言ったように「結婚は墓場だ」と嘆くのではなく、「結婚は戦争だ」と危機感を持ち、家庭を戦場にしないためにも本書を読んで、家庭を、妻をマネジメントする方法を学んでほしい。

文=山本 浩輔