飛行機の座席に上座はある? ビジネスマナー入門

ビジネス

公開日:2015/12/3


『「了解です」は上司に失礼! 大人のマナー常識』(トキオ・ナレッジ/宝島社)

 マナー、それは、お互いに気持ちの良い関係を築くために守らなければならない“最低限”のルールです。しかし、その数が多いため、すべてのマナーを習得している方はごく少数ではないでしょうか? そこで、社会人として一定の経験を積み、ある程度マナーも身につけたと自信のある方に一度見直していただきたい1冊をご紹介します。それが『「了解です」は上司に失礼! 大人のマナー常識』(トキオ・ナレッジ:著/宝島社)です。

 この本に掲載されているマナーに関する問題をいくつか出題します。あなたは全問正解できますか?

◆「専務」と「常務」はどちらの立場の方が上ですか?

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 いずれも役員職であり、社長を補佐する立場であることには変わりありません。しかし、「専務」の方が「常務」より地位的には上です。

◆「お名前の方を頂戴できますか?」を正しい敬語に直すとどうなりますか?

 名刺ならともかく、名前は“頂戴する(もらう)”ものではありませんよね。正解は「聞く」の謙譲語「伺う」を使った「お名前を伺えますか?」です。この本では、他にも「1万円からお預かりします」「お帰りになられる」といった、日常生活で頻繁に耳にしていそうな言い回しのおかしな点が具体的に紹介されています。

◆部長と課長と自分の3人で出張。飛行機の座席で上座はどこですか?

 飛行機やバス、列車にも席次があることをご存知ですか? 横並びに座る列車や飛行機では、窓側が上座になります。そして、中央の席よりくつろげる通路側が次席になります(仮に横並びに4席以上並んでいるなら、窓側に近い方が上座となります)。このため、通路側から課長、自分、部長と座るのが最も適切といえます。向かい合って座る列車の場合、どう並ぶのが適切なのかもこの本に掲載されています。

 加えて、この本には処世術も掲載されています。社会人になると初対面の人とも会話する機会が増えますよね。そんな時、「私は、人見知りだから……」と黙っていることはできないでしょう。この本には、初対面の人と話すコツも紹介されています。

 話題に困ってしまっていつも気まずい沈黙が訪れるという方は、あらかじめいくつか話題を準備しておくと良いでしょう。たとえば、遠方の取引先の事務所に出向いた際には、その街の話題や緑や海など環境の話題がいいのではないでしょうか? 地元の人ならではの情報を教えてもらえて、思わぬ収穫があるかもしれません。また身に着けている小物(時計やカバン、ネクタイなど)に着目して、それを誉めてみるといいでしょう。

 直接対面している時には、相手の表情・様子を観察しつつ話題を選ぶことをオススメします。これに対して、メールではまた違った心遣いが必要となります。この本において、メールでのやり取り上のマナーとして強調されているのは、簡潔&軽量の2点です。

 メールの場合、相手が自分の文章をどのような状態で見るかわかりませんよね。ひょっとすると慌ただしく過ごしている中で見るかもしれません。このため、1スクロールで読める程度の簡潔な文章が望まれます。

 この本には、ほかにも電話のとり方、封筒の選び方、FAXの送り方などあらゆる場面でのマナーがイラスト付きで書かれています。

 あなたは上司や先輩から何か仕事上の指示をされたとき、「了解です」という言葉を使っていませんか? 実は、「了解です」という言葉を目上の人に使うとマナー違反と受け取られる危険性があります。どうしてなのか、その理由はぜひこの本を実際に手にとって学んでみてください。他にもきっと「これもマナー違反なのか…!」と思うことが見つかるはずです。見つかったならラッキーですよね。明日から直していけば大丈夫です。

文=藤田ひかり