折り込みも休ませ時間も一切不要―バターを使わずにパイやタルト作りを簡単に楽しもう!

食・料理

公開日:2015/12/13


 近年、バターが品薄状態となり、スーパーの棚からもバターが消えてしまった。バターと言えば、お菓子作りには欠かせない材料だが、バターを使わずにすぐに作れるお菓子レシピを紹介した料理本『バターなしでおいしい パイとタルト』が大好評となっている。2014年11月に刊行され、好評につき重版が決定した。

 扱いが難しいバターの代わりに植物油を使った生地は、折り込みも休ませ時間も一切不要。驚くほど簡単で、スピーディに仕上がる。その分、フィリングの準備に余裕をもって取り組め、濃厚なフィリングを詰めても重さやしつこさを感じることなく、すっと食べ切ることができるのも魅力だ。また、バターを扱うときのように気温の変化を気にしなくていいので、一年を通して安定した状態で作れる。

 同書で紹介する4種類の生地は、どれも似たような配合で、作り方も共通だが、味や食感、厚み、それぞれに特徴があり、使い分けるとバリエーションが広がって、パイやタルトを作るのがどんどん楽しくなる。

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ベーシックオイル生地
シンプルなパイ生地。薄く、さっくりとした軽い食感でフィリングの味を引き立たせ、オールマイティーに使いやすい。(アップルパイ/チェリーパイ/タルト・モンブラン/アップルシュトルーデルなど)

    チェリーパイ

水切りヨーグルト生地
水切りヨーグルトを使ったヘルシーな生地。パイとクッキーの中間のような、ざくっ、ほろっとした食べ応えのある食感。やわらかすぎず扱いやすい生地なので、成形のアレンジを楽しみたいものに向いている。(ガレット・デ・ロワ/パンプキンパイ/フローズンベリーパイ/ルゲラーなど)

    オートミールレーズンパイ

ビスケット生地
ほんのり甘く、ビスケットのような食感の生地。ほどよい甘さとアーモンドパウダーの香ばしさも加わり、サクサクと口当たりがよく、生地だけを食べてもおいしい。(桃のタルト・メルバ風/タルト・オペラ/フォンダン・ショコラタルトレットなど)

    タルト・オペラ

スコーン生地
ボリューム感があり、ざっくりと、口の中でホロホロとくずれるような食感。しっかり膨らむので、生地に厚みを持たせる、はさむ、包み込む、といった成形に向いている。(ミルフィーユ・スコーン/ダッコワーズタルト/ガトー・バスクなど)

    あずきとアプリコットのパイ包み

■『バターなしでおいしい パイとタルト
著:吉川文子
価格:1,300円(+税)
発売日:2014年11月7日(金)
出版社:誠文堂新光社

吉川文子(よしかわ・ふみこ)
お菓子研究家。洋菓子教室「Kouglof」主宰。1999年「きょうの料理大賞」にてお菓子部門賞受賞。藤野真紀子、近藤冬子らに師事。フランス伝統菓子をベースに新たなエッセンスを加えながら、手軽に作れておいしいレシピを研究。近著に『バターを使わないパウンドケーキ』がある。