「澁谷梓希」声優インタビュー&ミニグラビア【声優図鑑】
更新日:2015/12/22
編集部が注目する声優に、声優を目指したきっかけや、初めてのお仕事、そしてプライベートなことまで、気になるあれこれについてインタビューを行い、さらに撮り下ろしのグラビアも交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。
第96回となる今回は、テレビアニメ「プリパラ」ドロシー・ウェスト役などを演じる澁谷梓希さんです。
――i☆Risのファッションリーダーとも言われている澁谷さんですが、いつもどんなところでお買い物してるんですか?
澁谷:今日着ている服は、しまむらの系列のアベイルっていうティーン向けのお店ですよ。テレビの変身コーナーでよく紹介されている…。洋服が好きなので、ああいう番組を見てると、出てみたいな〜って思いますね。誰かの洋服コーデをするとか、やってみたいなって思います。
――1月6日からアリスインプロジェクト「クォンタム・ドールズ」という舞台に出演しますね。
澁谷:オーディションみたいな感じで面接をして、出演させていただくことになりました! 殺陣があるんですよ。ずっと舞台に憧れていたし、アクションにも興味があったから嬉しくて。キャストがみんな女性なので、女性だけで作り上げる世界観っていうのも楽しみです。
――舞台に憧れていたんですか?
澁谷:昔から舞台を観るのが好きだったので。初めて行ったのは宝塚でしたね。新宿のコマ劇場のファイナル公演だったかな。あとは、劇団四季の「ウィキッド」とか。映像とは違う、客席とダイレクトにつながっている感じに魅力を感じていて。
――何度も繰り返し演じるっていうところも、映像とは違うかもしれませんね。
澁谷:そうですね。でも、同じ台本でも、観てくださるお客さんが変われば、お芝居も変わると思うんです、声の仕事でも、読む人によってセリフの空気感が変わるように。だから、一公演ずつ大事に演じていきたいと思いますね。楽しみたいな〜と。
――殺陣もありますし、女性ファンも楽しめそうです!
澁谷:そうなったら嬉しいです(笑)。男性ファンはもちろん、女性にもたくさん観てほしいです。この世界に入る時、同性から好かれることを目標にしてたんです。女の子って、周りからどう見られているのかを気にして、オシャレしたり、メイクしたりしますよね。そういう子たちに、そんなに気を張らなくても、お金をかけなくても、みんなかわいくなれるんだよ!っていうのを伝えたくて。だから、Twitterでもやたら自撮りの写真を挙げたりしてるんです。世の中の女の子たちの力になれたらいいなと。そして、いつかキャーキャー言われたい(笑)。
――すでにキャーキャー言われてそうです(笑)。そう思ったきっかけはあったんですか?
澁谷:中学生の時に倖田來未さんのことが大好きで。ライブに行って、くぅちゃんが出てくるだけでキャーッってなる客席を目にした時は、ただひたすら、かっこいいな〜と。いつかあんな風にかっこいいライブをしてみたいです。今でも倖田來未さんのライブには行きますけど、やっぱり世界観や構成がすごいですね。じつは、2015年は自分で目標を掲げて、いろんなライブや舞台を観てきたんです。多種多様な作品に触れて感じたことを、2016年の最初に、舞台で出せることが本当に楽しみです!
――もともと「好きなことを仕事にしたい」という気持ちがあったんですね。
澁谷:何に対しても作り上げることが好きで。11月の3rdアニバーサリーライブの時も、率先してメンバーの意見をまとめてグッズの提案をしたんです。人によっては、雑用みたいに思うかもしれないけど、作り上げたものが成功すると本当に嬉しいし、とにかく作ることが好きなんです。
――i☆Risでは、曲のアレンジにも挑戦されていると。
澁谷:4thシングルに入っている「もしも毎日がクリスマスだったら」っていうカバー曲のイントロ部分に入っている一小節か二小節は、3rdシングルの「進めアバンチュール」っていう曲を題材に、私がアレンジしたものです。言葉だけでなく、実際に作ったものをスタッフさんに聴いてもらって。3rdアニバーサリーで歌ったAAAさんの「Climax Jump」という曲でも、アレンジっていうわけではないですけど、おうちで「いいじゃん!いいじゃん!スゲーじゃん?!」っていう音やハモリを録ったり、本家とはまた違うラインを録ってみたり。ちょいちょいやってますね。これからi☆Risとして活動していく中で、楽曲の提供なんかもしてみたいです。
――男装が好きっていうのも、i☆Risがデビューした頃から話題になっていました。
澁谷:風男塾さんが好きで、最初に見た時に「男装いいね〜」って感じで(笑)。まだ中学生だったからウィッグとかは買えなかったけど、男装風に男っぽく写真を撮ったりしてました。ウィッグが買えるようになってからはメイクも学んで。
――最初は見る側だったんですね。
澁谷:それが、今では率先して男装する側に(笑)。以前は男装をしてもレスポンスが返ってこなかったけど、今はファンの方が反応してくださるから余計に楽しくなっちゃって(笑)。いつかDJに挑戦してみたいんですけど、その時は絶対に男装で!って思ってるんですよ。
――「あずき」という名前も、女の子っぽいというより、中性的なイメージがあります。
澁谷:そうなんですかね。昔はこの名前がコンプレックスで、自分の名前を言うのが本当に恥ずかしかったんですけど。高校生くらいから、どこに行ってもかわいい名前だねって言われるようになって、今はもう両親に感謝っていう感じです(笑)。今は増えているかもしれないけど、自分の世代的には唯一無二の名前で。とても気に入ってます!
――趣味が多いことは自他共に認めるところだと思いますが、どれも続いているところがすごいです(笑)。
澁谷:何でも興味が湧いちゃうんですよ。で、始めるとけっこうエンドレスループに(笑)。だから、日々ローテーションというか。ある時はアロマに凝って、その次はひたすらゲームをして。人生一度きりだから、その時その時を後悔したくないんです。以前はファンの方やスタッフさんから「中途半端になる」って言われてたんですけど、語れる程度にはハマるし、とにかくジャンルが幅広いので、予想外のところで何かにつながったりするんですよ。さっきのようにお仕事につながることもありますし。
――まだ増え続けてるんでしょうね。ちなみに、最近新たにハマッたこともありますか?
澁谷:最近はUFOキャッチャーにやたらハマッちゃって(笑)。この前も真中らぁらちゃん(by プリパラ)のフィギュアをわずか4回で落としました! 今はオンラインでもクレーンゲームができますからね。大好きなスーパーマリオの30周年記念のブランケットを取るためにけっこう散財しました(笑)。通信のズレがあって難しいので、他の人のプレイを見ながら研究して…。ホント、何をするにも研究ばっかりしてますね笑)。たぶん研究が好きなんだと思います。好きなもののことをずっと考えている時間が幸せなんですよ。
――ブレない返答をありがとうございます(笑)。さて、i☆Risはデビュー4年目に入って、また大きく動き出しそうです。まず、2月にはファンクラブが発足しますね。…もうあるのかと思ってました。
澁谷:よく言われるんですが(笑)、念願かなってようやく。ファンクラブ先行予約とか、ファンクラブ限定動画とか、響きだけでもかっこいいですよね〜。会員の方には、何か特別なことができたらと思います。じつは今、3つのファンクラブに入っているので、ファンクラブの良さを知ってるぞって感じで、ファン目線で学んだことを自分たちのファンクラブに生かしていけたら嬉しいなと。
――春には2ndアルバムのリリースも!
澁谷:1stアルバムがi☆Risというグループの自己紹介的な一枚だったので、2ndでは、i☆Risは3年間こんなことをしてきたんだよっていうのをお見せしたいです。これがi☆Risだ、以上! ってどーんと置いてこれるような。
――そして、4月からは2ndライブツアーが!
澁谷:しかも、Zeppツアー! いや〜かっこいいですよね〜(笑)。自分がいろんなアーティストさんのファンとして行っていた場所なので、1stツアーのファイナルがZeppというだけでも驚いてましたけど、その仲間入りができたことに感動してます。次の目標は“Zeppツアー、即完売!”ですね(笑)。いろんな場所でi☆Risの爪痕を残してきたいです。
――そんな中で、いまだに、ライブのリハーサルで実際の客席に座って、ステージの見え方を研究しているという。「ファン目線」は澁谷さんのアーティスト活動のひとつの基準になっているんでしょうか。
澁谷:「ファンのみなさんの支えがあってこそ」というのは、どんなにすごいアーティストさんも共通しておっしゃっていることで。応援される側はファンがいるから頑張れるし、ファン側としても、応援しているアーティストがもっとたくさんの人から応援されるようになってほしいんです。だから私も、少しでもファンの方の気持ちを考えたくて。そうすることで、i☆Risという存在がもっと大きくなっていけば、ファンの方への恩返しもできると思うんです。
――「プリパラ」では、2月に“中の人”自身がミュージカルに出るという新境地が!
澁谷:いろんなアニメが2.5次元やミュージカルになっていく中に、「プリパラ」が入っていくことに感動があったし、私自身もプリパラファンのひとりとして、どんな舞台になるのか楽しみですね。まだ稽古はこれからですが、i☆Risのメンバーが全員ウィッグをかぶるのか、ビジュアル的にもっとキャラクターに近づくのか、そんなことも気になってます(笑)。
――ドロシー役を演じ始めてから1年2ヶ月ほど。ご自分の中でドロシーはどんな存在になっていますか?
澁谷:もう、自分と重なることがどんどん増えています。というのも、たぶん、スタッフさんがドロシーをずっちゃんに寄せてきているからだと思います(笑)。最初はなかった八重歯が生えてたりとか(笑)。本当にかわいいんですよ、うちの子。自分が変われたのは、ドロシーのおかげでもあります。それまでは内気というか、何かを自分から発信することが得意ではなかったんですけど…。演技ではまだ勉強することがたくさんありますが、ドロシーがどんな気持ちで喋っているのか理解するために、一生懸命向き合ってきたからこそ、自分が変われた部分もあるのかな〜と。
――ドロシーとはこれからも長い付き合いになりそうですね(笑)。
澁谷:いつかドロシーを最高の神アイドルにしたいです! ドロシーって気が強いから、もしかしたら苦手な人もいるかもしれない。でも、優しいところもあるんです。ドロシー好きの人はめちゃくちゃ好きでいてくれて、本当に嬉しいですね。街でドロシーの缶バッチをつけてくれている人を見かけると、めっちゃテンションが上がります(笑)!
――こうしてお話していると、ご自分で向き合っていることが、ひとつひとつ確実に上昇している感じがします。
澁谷:おかげさまで、この1年間で澁谷梓希という名前をたくさんのみなさんに知っていただけたので、2016年にも、また別のカタチで何かを残したいと思ってます。すでにカタチになっていることをさらに伸ばしていくのって難しいじゃないですか。不安もありますけど、目の前にあるものをひとつずつ、きちんとこなしていくことが大切なのかなって思います。
――ずっと変えていきたくないこともありますか?
澁谷:周りの人に対して、自分を作りすぎないことかな。いつも自由だから、周りの人にはふざけてるって思われているかもしれないけど、これが私のいちばん心地いい在り方なんです。「限界を超えるのではなく、限界はないんだ」。だから、気持ちひとつで変われるんだなと。そのためには、たとえダメな自分であっても、ありのままを認めてあげることが大事なのかなって。遅くてもいいから、一歩ずつ前に進んでいきたいです。
――最後に、声優として挑戦していきたいことを教えてください!
澁谷:声優という枠にとらわれず、いろんなジャンルで個性を発揮できる声優になりたいです。お芝居では、男の子の役に挑戦してみたいですね。竹内順子さんのような役者さんにはやっぱり憧れます。まだまだ勉強は必要ですけど、代表作を増やしていきたいと思っています!
――ありがとうございました!
次回の「声優図鑑」をお楽しみに!
澁谷梓希
◆撮影協力
magic tone studio(マジックトーンスタジオ)
取材・文=麻布たぬ、撮影=山本哲也、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト」