「ワンサくんブーム再来だ!!」手塚治虫の知る人ぞ知る名作『ワンサくん』ミュージカル化に往年のファン歓喜

マンガ

公開日:2016/1/27


 マンガとアニメ、そして昆虫をこよなく愛したマンガ家・手塚治虫が、1970年代に手掛けた幻の作品『ワンサくん』が、2016年8月にミュージカル化されることが明らかになった。知る人ぞ知る名作のミュージカル化に、「ワンサくんブーム再来だ~!!」と往年のファンが歓喜している。

 『ワンサくん』は、生まれたばかりで母親から引き離された小犬・ワンサが主人公となり、仲間たちと一緒に都会の片隅でたくましく生きる姿が描かれた作品。10円で売られたり、工場の片隅で死にそうになったり、厳しい犬の縦社会があったり…と、児童マンガにしては少し物悲しいストーリーだが、仲間の犬たちとのコミカルなシーンではクスッと笑わせてくれる。

 元々、ワンサは三和銀行(現:三菱東京UFJ銀行)のマスコットキャラクターとしてデザインされたもので、1971年、虫プロ商事から刊行された『てづかまがじんレオ』にて、ワンサを主人公にした『ワンサくん』の連載が開始されることに。しかし同雑誌が廃刊になったため、未完結のまま終了することに。

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 未完のままになっていた『ワンサくん』が再び日の目を見たのは1973年。読者からの熱い要望により、4月より虫プロ最後のテレビアニメ作品『ワンサくん』の放送が開始された。マンガ特有の味わいを生かしつつも、登場人物たちが歌って踊るというミュージカル調の演出が「新しい!」と評判に。また、「ワンサカ ワンサくん」や「ピンコラ音頭」など頭に残る曲が多く、40年以上が経った今でも未だに歌詞を覚えている人も多いのではないだろうか。

 そんな『ワンサくん』が、キッズ・ミュージカルとして2016年8月に、シアタートラムで上演されることが決まった。演出を務めるのは、俳優や声優として活躍する一方で、演出家・脚本家としても活動する小林顕作。脚本は、映画「桐島、部活やめるってよ」「幕が上がる」などで知られる喜安浩平が担当する。

 このニュースに『ワンサくん』を知る手塚ファンからは「ぐおおおめっちゃ懐かしい!手塚作品の中で一番好き!」「マジか…!? 衛星アニメ劇場で見てたなあ、懐かしい」「ワンサくん! 実家にソフビ人形とかピクチャーレコードあった! 多分まだある!! レッツゴーみどりちゃん(だったと思う)とか歌憶えてる!」「あの名作が…! 子供たちと一緒に観に行きます!!」と、当時を振り返り懐かしんでいる。

 また、「ミュージカル化とか嬉しすぎる! ラストはどうやって終わらせるのかな…」「最後が気になる…!!」「アニメ版の最終回では色んな意味で泣かされたからな~(笑)今回はどんな風に来るのか、怖いけど楽しみだな」と、早くもラストシーンに思いを馳せる人も。さらに、「これを機にアニメも再放送されないかな~」「今の人は知らないと思うけど、本当名作だから! また流行って欲しいな~」「大好きでよく観てたよアニメ。なかなか知ってる人いなくて寂しかったけど、これで話し合える人が出来そうだ!!」など、ミュージカルを機に、再びテレビアニメ化されることを期待する声も。

 主人公のワンサや、仲間の犬たちを演じるキャストは、小学生から中学1年生までの男女を対象にしたオーディションで決めるという発表にも「初々しくていいと思う」「『アニー』みたいな感じで、元気いっぱいのミュージカルになりそう!」など、早くも多くの期待が集まっている。『ワンサくん』を知らない平成っ子が、「ぼくらのワンサくん♪」と口ずさむようになる日も、そう遠くはないかもしれない。

■『ワンサくん
著:手塚治虫
価格:562円(+税)
発売日:1997年6月13日
出版社:講談社

せたがやこどもプロジェクト2016 キッズ・ミュージカル「ワンサくん」
日程:2016年8月
会場:シアタートラム
原作:手塚治虫『ワンサくん』
演出:小林顕作
脚本:喜安浩平
提携:公益財団法人せたがや文化財団 世田谷パブリックシアター
後援:世田谷区 世田谷区教育委員会
企画協力:手塚プロダクション
主催・製作:ネルケプランニング
(C)Tezuka Productions
⇒ミュージカル「ワンサくん」特設HP