おしゃれになりたければ、ユニクロの○○を真っ先に手に入れるべし! ファッションの“理論”を説くマンガが登場

暮らし

公開日:2016/1/30


『服を着るならこんなふうに』(縞野やえ:漫画、MB:企画協力/KADOKAWA)

 新年のセールも終わりにさしかかり、各ファッション誌では今春の着こなしに関する特集が組まれ始めている。ファッション業界は、移り変わりが激しい。1年前に流行っていたものが、今年はすでにNGファッション、なんてこともざら。第一、トレンドのアイテムを上手に組み合わせるセンスがない。だからといって、大金をつぎこんでハイブランドで固めてみても、服に着られている感は否めない。……おしゃれって、本当に厄介だ。

 そんな風に嘆いているおしゃれ苦手男子のみなさん、ここで朗報が! おしゃれに必要なのは、センスでも大金でもなく、「理論を知ること」なんだとか。そう説くのが、『服を着るならこんなふうに』(縞野やえ:漫画、MB:企画協力/KADOKAWA)。本作は、『最速でおしゃれに見せる方法』(扶桑社)で知られる、ファッションバイヤー・MB氏の理論を、マンガのカタチに落とし込んだ一冊。読み進めていくうちに、メンズファッションのイロハが自然と身につくようになっている、なんとも素敵すぎるコミックなのだ。

 本作の主人公・佐藤祐介は、中小企業で働くごく普通の男子。真面目で爽やかで、人当たりも良い。ただし、壊滅的にファッションセンスがない。それを妹・環に指摘されるも、「男なんだから別に良いんだ」と気にする様子もない。……が、久しぶりに小学校の同級生と集まったときに、自分だけが「ダサい」ことを痛感してしまう。周りのみんなは年相応の格好をしていて、自分はどうしてこんなにファッションセンスがないのか。だけど、どこをどうすればいいのかすらわからない。そもそも、服を買いに行く服すら持っていない。そんな祐介に救いの手を差し伸べる環。私がお兄ちゃんにコーディネイトを教えてあげる――。こうして、祐介のファッション改造計画が始まるのである。

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 最初に環が祐介を連れて行ったのは、なんと「ユニクロ」。でも、ユニクロって、別におしゃれではないような……? いやいや、それは大間違い。環曰く、「それはユニクロを甘く見ている」とのこと。ベーシックなアイテムが豊富に揃う分、おしゃれの基盤を作るにはもってこいなのだ。なかでも、最初に買うべきなのが、「黒のスキニージーンズ」。これ一本持っていれば、たとえトップスがブカブカでもおしゃれに見えるのだ。

 そもそも、印象の良し悪しは、ボトムスにかかっている。おしゃれが苦手な人は、トップスに力を入れがちだが、ボトムスがさまになっていないと、まったく意味がない。そして、黒のスキニージーンズは、カジュアルながらも「大人っぽさ」を兼ね備えているアイテム。これが、おしゃれの基本につながるのだ。

 また、黒のスキニージーンズには、ぜひ「オールブラックのコンバース」を合わせるのがオススメ。パンツとシューズを同系色でまとめることによって、脚が長く見える視覚効果が得られるのだ。これは、作中でも祐介が悩んでいる通り、脚が短い日本人にはとても有効なテクニック。

 そして、これらのアイテムに合わせるとしたら、ぜひ「無地のカットソー」を。祐介が「無地のTシャツって肌着みたい」と言っている通り、初心者は柄物に目が行きがちだが、ファッションというものはシンプルな方が大人っぽく、おしゃれなのだ。なかでもイチオシは、「ヘインズのジャパンフィットモデル」。手頃な値段でありながらも、日本人の体型にフィットするデザインなのだ。

 こうやってアイテムを少しずつ増やしていく上で覚えておきたいのが、おしゃれの近道は「モノトーンコーデ」ということ。白と黒はフォーマルドレスの色でもある。その組み合わせは鉄板。つまり、初心者でも失敗しにくいということなのだ。

 本作でこのようなテクニックを伝授された祐介は、みるみるおしゃれになっていく。その結果、同窓会で久々に顔を合わせたメンツからは、「印象が変わった」「ちゃんとして見える」「相当おしゃれになった」と賞賛の嵐を浴びることに。特に小難しいことを覚えたわけではないのに、人は変われるものなのだ。

 ファッション誌をいくら眺めても、一向におしゃれがわからない。そんな人は、本作でおしゃれを「理論」から学んでみてはどうだろうか。必要なのは、センスではなく、ロジック。そう考えると、服選びもなんだかおもしろくなってくる気がする。……おしゃれって、本当は簡単なのかも。

文=前田レゴ