男のセックスは電子レンジ、女はオーブン? 「男女の違い」を知れば、恋も持続!

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/16

大切な人といつまでも仲良く暮らしたい。誰もがそう思うはずなのに、欧米では結婚した男女の約半数が離婚するとか。日本でも離婚率は増加しており、いまや「3組に1組が離婚する」ともいわれている。確かに、浮かれ気分の頃ならまだしも、付き合いも長くなってくると、「彼が話を聞いてくれない」「彼女がなぜ怒っているのかわからない」などなどあらゆる不満が生まれてくるもの。

しかしその不満が、「男女の脳の違いから生まれるもの」という科学的な根拠で証明されるものだとしたら…。人間の進化の研究成果を男女関係に当てはめて解説する『新装版 話を聞かない男、地図を読めない女』(アラン・ピーズ&バーバラ・ピーズ/主婦の友社)から、そのすれ違いや言い争いの原因を探ってみよう。

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著者は「どちらが優秀というわけでなく、男女はまったく違うもの」と断言する。その差の原因は、進化過程の違いにある。はるか昔、男は、外界に狩りに出かけては、自分の命をかけて食べ物を手にいれた。つまり、食料調達こそ男に期待される役回りであり、獲物という成果があってこそ、男の優劣が決まった。

一方の女は、子どもの世話をしたり、木の実を集めたり、同じ群れの女たちと一緒に1日を過ごした。家と子どもを守り、家族の生活をきちんと維持できるかどうかで女の優劣は決まった。その結果、男と女の身体はそれぞれの役割に合わせて発達し、脳の強さも、能力も別の方向に進化していったという。

それは会話にも表れる。進化の過程で成果を求められてきた男の会話は、結論や解決策を得るためのもの。群れの中で調和とコミュニケーションの大切さを学んできた女の会話は、関係づくりのためのもの。例えば、女が悩みを打ち明け始めると、話をさえぎって解決策を提示しようとする男がいる。しかし彼女は“しゃべる”というコミュニケーションをとることで心を落ち着かせているだけで、解決策を求めてはいない。

確かにしゃべっている最中に、「なんで…しないの?」「じゃ、…したら?」なんていちいち挟まれたら女としてはきっと鬱陶しいだろうし、「話をちゃんと聞いてくれない」も同然となってしまう。最善の対応策として男は、「話を聞いている」というそぶりを前面に押し出すことが肝心だ。

また本書では、セックスに対する考え方の違いも、男女の衝突の原因になると説く。「男性ホルモン=テストステロン」「女性ホルモン=オキシトシン」に代表されるホルモンの働きが違うため、性欲においても、男女では差がでるのだそう。「男のセックスは電子レンジ。女のセックスはオーブン」と著者。スイッチを入れると同時に最大出力で加熱を始め、調理が終わったらパッと消えるのが男の性衝動。女の場合は、最高温度に上がるまで時間がかかるが、なかなか冷めないオーブンのようと、興味深いたとえをしている。

もちろんこれらは男女の平均をとったものであるため、「私は違う!」という人もいるだろう。しかし「男女はまったく同じで、同じような欲望や衝動を持っている」と考えると、イライラも募り、男女関係はきっと暗礁に乗り上げる。そんなとき、「もともと作りが違うのだ」と割り切ってしまえば、不満も少し減るかもしれないし、お互いの存在がもっと面白いもので、大切なものに思えてくるかもしれない。円満カップルでいるためにぜひ参考にしてほしい。

文=成田おり枝

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