眠れぬ夜が、さらに眠れなくなる! マンガ好きのためのサイト『マンガペディア』の魅力

マンガ

公開日:2016/2/24

マンガペディアロゴ

 マンガ好きのなかには、ストーリーよりもその世界観や設定に心惹かれてしまうという人も少なくないと思う。常人では思いつかないような奇想天外な世界観、舌を巻くほど練りこまれた設定……。ネットを駆使してそれらを調べあげ、裏の裏まで読んでは、思わず唸ってしまう。

 そんな“設定厨”にうれしいサイトがオープンした。それが『マンガペディア』だ。本サイトは、VOYAGE GROUPが編纂する、世界初の“体系的漫画百科事典サイト”とのこと。掲載されている情報は実際にマンガに目を通した編集者が執筆しているため、その整合性は確かとも言える。これはなんたるサイトだろうか……。ということで、早速覗いてみた!

 現時点で掲載されている作品は、少年向けのバトルマンガから、恋愛少女マンガ、ギャグ、ミステリーと実にさまざま。

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 たとえば、名作『鋼の錬金術師』(荒川弘/スクウェア・エニックス)の項目。はじめに世界観が説明され、その後、“錬金術”や“国家錬金術師”の説明へと続く。

マンガペディア『鋼の錬金術師』ページのキャプチャ

物質の構成や形状を変化させ、新たなものに作り替える技術。万能の魔法ではないので、無から有を創り出すことはできない。等価交換が原則で、なにかを錬成するためには、「物質の理解」「分解」「再構築」の3段階の過程を踏む必要がある。また、錬成には地殻運動によるエネルギーと、錬成したいものの構築式が書き込まれた錬成陣が必要となる。

 錬金術については、上記のように解説されている。これ、作品を読んでいる人ならばなんとなくわかっていることだと思うが、あらためてこのように真面目なトーンで説明されると、厨二心が刺激されるではないか! “百科事典サイト”の名は伊達ではない。作中で明確に整理されていない情報(されているものもあるけれど)を、このように理路整然と解説してくれるなんて、夢のようだ。

 また、“作品が描かれた背景”という項目も非常に興味深い。『進撃の巨人』(諫山創/講談社)のページなんかでは、その項目がとても厚く書かれており、あの巨人は、諫山氏が池袋のマンガ喫茶でアルバイト中に出会った“犬よりも意思疎通が困難な人間”がモデルとのこと。へぇ~。

 さらに、“新着ガイド”というコーナーもあり、「マンガ界の超IQキャラ特集」や「【魔法使い】魅力のキャラ4選」など、マンガペディア独自の目線で作品を紹介している。調べたいマンガが特にないときでもフラッと覗いて楽しめる、そんな作りだ。ちなみに、個人的におもしろかったのが、「マンガ界の裏切り者特集」。マンガを盛り上げるためには欠かせない裏切り者たちが特集されているページなのだが、完全にネタバレしているため、未読の人は要注意だ。

 まだ盛り上がっているとは言い切れないが、各マンガのスレッドもあり、作品を愛する者同士での交流もできそう。熱い議論を交わしたり、作中の謎を徹底追求したりと、どこまでも夢が広がっていく。

 これまでにありそうでなかった、マンガに特化した百科事典サイト『マンガペディア』。ここに来れば、マンガの世界に思う存分浸れそうだ。こりゃあ、睡眠時間が減っちゃいますな。

文=前田レゴ