『金田一少年の事件簿』の原作者が挑む“人類のタブー”

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/28

亜樹直、天樹征丸など様々な名義で、『金田一少年の事件簿』『神の雫』などの大ヒットコミックの原作を手がける稀代のヒットメーカー・樹林伸(きばやししん)が、新作小説『陽の鳥』(講談社)を上梓。ダ・ヴィンチ7月号でインタビューに応えた。 愛息を事故で亡くした絶望から、ヒト・クローン技術によって、息子を“復活”させた天才科学者・沖田。 事故から9年後、後妻との間に生まれた息子が奇妙な言動を取り始める――。生命倫理と技術の相克と家族の絆を描くメディカル・サスペンスだ。
  
「マンガはストーリーを絵にしなければいけないわけですから、どんなに素晴らしいシーンであっても、絵にならなければ切り捨てざるをえないんですよ。しかし、小説だと、読者の想像力に任せて大胆に書き込んでいけます。そこがとても魅力的で、僕自身楽しんでやれる部分なんです」
  
手ごわそうな最先端技術の話も、ストーリーを追ううちにすとんと腑に落ちている。その鮮やかな手際は樹林さんならではだ。
  
「今の僕にとって『家族』は大きなテーマで、これから数年間は継続して追っていくことになると思っています。主人公たちと同じ世代を生きている20代、30代の人たちに、家族を持つ怖さと喜びを知ってもらえればと思います」
  
(ダ・ヴィンチ7月号より)