世界で圧倒的に愛されるマンガ家のプラチナ級新作とは?

マンガ

公開日:2011/9/5

あまたある新刊の中から、ダ・ヴィンチ編集部が厳選を重ねた一冊を紹介する『プラチナ本』。 今月は、人気マンガ家・谷口ジローさん待望の最新作『ふらり。』が選ばれた。
  
谷口さんは、『犬を飼う』で小学館漫画賞受賞(92年)をはじめ、『「坊ちゃん」の時代』で手塚治虫文化省マンガ大賞(98年)を、『神々の山嶺』ではアングレーム国際漫画祭(05年)を受賞するなど、世界的に評価を獲得。先日は、フランスの芸術文化勲章の1つ、シュバリエ章を受章するなど、特にヨーロッパの芸術家に大きな影響を与えている。
  
そんな、世界が認める谷口さんによる『ふらり。』は、江戸時代を生きるひとりの男の散策物語。隠居で、自由な身の男、それは伊能忠敬がモデルと類推される。
  
「『ただの散歩です』という顔をして、見たこともない世界をさらりと感得させる傑作」(ダ・ヴィンチ編集長・関口靖彦)
  
男がふらりと出向くその先で、四季折々の美しい江戸の風景や自然の営み、時代を生きるさまざまな人間模様が、丁寧に描かれていく。
  
その視点は、ときに桜になったり、鳶になったり、星になったり、蟻になったり。谷口さんの人気作『孤独のグルメ』に通じるB級グルメも、そこかしこに登場する。
  
谷口ジローによる端正で贅沢な江戸ガイドブック」(同副編集長・稲子美砂)をお供に、江戸の町を“歩いて”みては?
  
(ダ・ヴィンチ7月号 今月の絶対はずさない!プラチナ本より)