「コーヒープリンス1号店」のコン・ユは韓国のヒュー・グラント!?

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更新日:2014/2/8

「金曜の夜の地下鉄で酔いつぶれたスーツ姿の男性を見て、『彼だって、初恋の人として誰かの記憶に美しくとどまっているかもしれない。相手の女性はきっと今、彼の後姿だけでも見たいに違いない』と感じたことが、原作誕生のきっかけです」
  
韓国では初となる、創作ミュージカルの映画化『あなたの初恋探します』。その監督・脚本を務めたのは、原作の生みの親でもある韓国ミュージカル界のヒットメーカー、チャン・ユジョンだ。
  
ヒロインは、新作ミュージカルの準備に奔走する33歳の舞台監督、ソ・ジウ。10年前に旅先で出会ったキム・ジョンウクを忘れられず、業を煮やした父親が<初恋探し事務所>のハン・ギジュンにジョンウク探しを依頼する。
  
「脚色にあたっては、キャラクターの肉づけにもっとも時間を費やしました。ロマンティックコメディでは、いかにタイプの異なる男女が出会うかが鍵となるので、ふたりの違いを細部まで描きこむことが重要なんです」
  
恋愛のみならず、すべての結末を知ることから逃げているジウに、思わず自分自身を重ね合わせてしまう観客も多いかもしれない。
  
ジョンウクと“非モテ”なギジュンをひとりで演じ分けた『コーヒープリンス1号店』のコン・ユを、監督は「韓国のヒュー・グラント」とも評している。 「コミカルで知的で憎めない点が、ふたりの共通イメージです。コン・ユさんは道化役を演じても、つねに品がある。メロドラマも喜劇もイケる彼だからこそ、二役が可能になったと思います」
  
劇中ミュージカルのシーンなど見どころが詰まった今作。ジウとギジュンの意外な“縁”が明らかとなるエピローグも、韓国発のラブストーリーならではだ。
  
「ラストは、“人の縁はつかんでこそ運命になる”と伝えたい大切なシーンです。自ら縁を手放したジウに限らず、私たちの日常には通りすがりの縁や、記憶にさえ残っていない一期一会がたくさんあるんです。だからこそ誰でも自分の意思しだいで、小さな縁を運命の出逢いに変えられるはずですよね」
  
(ダ・ヴィンチ7月号 CINEMA DAVINCI INTERVIEWより)