過激なトーク、ツッコミ、迷言の宝庫!ナルシスト×ビッチ×腐女子な残念系女子高生が巻き起こす、嵐のような日常に爆笑必至

マンガ

公開日:2016/4/25


『乙女哲学』(凌/KADOKAWA)

 あの子、喋らなければいいんだけどね……。いわゆる、“残念系”の人に出会ったことはあるだろうか。見た目はいいのに、口を開くとガッカリ。だから遠巻きに見ているくらいがちょうどいい。いま、そんな残念系女子高生たちのマシンガントークをテーマにしたマンガが話題を集めている。それが『乙女哲学』(凌/KADOKAWA)だ。本作は、連載型新作マンガ配信サービス『GANMA!』にて連載中の作品で、4月23日(土)に第2巻が発売されたばかり。ではここで、本作最大の魅力である各キャラクターについて言及していこう!

 主人公となるのは、ツインテールがこれでもか!というくらい似合う瀬名あいか。それこそアイドル顔負けの容姿で、それを本人も自覚している。……が、そこがあいかの残念なところ。宿題やテスト勉強はしっかり頑張る真面目な性格にもかかわらず、自身の容姿のこととなると抜群のウザさを発揮するのだ。しかし、それでも彼女が許されているのは、どこか抜けているから。上履きとトイレスリッパを履き違えたり、巨乳の友人を羨むあまり毒を吐きまくったりする姿は、ちょっとだけ可哀想。ゆえに、妬まれもせず愛されているのだ。

 そんなあいかの友人たちも、彼女に勝るとも劣らない残念さの持ち主ばかり。ゆるふわっぽい雰囲気漂わせる日向美野里は、とにかくビッチ。魅惑のマシュマロボディを武器に、男たちをとっかえひっかえ。仮に逆ナンに引っかからないような硬派な男が現れようものなら、脅迫まがいの手を使ってでもデートに誘い出す始末だ。また、モデル体型で男女問わず周囲の羨望を集める辻本恵令奈は、とにかくBLにしか興味がない生粋の腐女子。暇な授業中は教師でBL妄想、テスト期間でもBLゲー三昧、部屋にはもちろん“薄い本”だらけ……。彼女もまた、残念な女子高生なのだ。

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 第1巻では、そんな彼女たちの日常を描きつつ、これまた残念系の男子高生3人組も登場。純情暴走系、ドS、無愛想といった、なかなか個性的な男子とあいかたちの絡みが描かれている。

 そして続く第2巻では、新たな残念系女子が出現。それが宮崎観月だ。彼女は恵令奈の後輩である佐藤雫の親友で、かなり物騒な女子。なにせ、雫が恵令奈と遊んでいることを知るや否や、嫉妬心から「先輩を●す」と宣言してしまうのだ。なんとも恐ろしい新キャラの登場である。

 そんなこともつゆ知らず、あいかたちは夏休みの旅行を計画。もちろん雫も誘うのだが、それに観月が嫉妬しないわけがない。はたして、彼女たちは無事に旅行を楽しめるのだろうか。……とその前に、旅行資金を貯めるべく、喫茶店でのバイトに精を出す3人の姿も描かれるのだが、そこでもまた一悶着あり。まあ、彼女たちがスムーズにバイトできるわけもないのだけど。行く先々で騒動を巻き起こす彼女たちからは、なんとも目が離せそうにない。

 ちなみに、本作を読む際には、彼女たちの発言にも注目してもらいたい。ページをめくれば、過激なトーク、ツッコミ、迷言の宝庫なのだ。「バレンタインデーF●CK!」「(高校)4年生になっても同じクラスがいいね」「勉強頑張ろう! 明日から」「お前は内臓を売れ!」「灰皿でお殴りしてもよろしいでしょうか」「あ~もう疲れた。みんな死ね!」。もうおもしろすぎである。

 紛うことなき、口を開けば残念な女子たち。けれど彼女たちは、マンガにおいては“最高”のキャラクターたちだ。その残念系トークの嵐は、一読の価値ありだろう。

文=五十嵐 大

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