パーティーや飲み会で「ぼっち」にならないための話し方

人間関係

公開日:2016/4/29


『あがってしまうシーンでも相手にきちんと伝わる「話し方」の授業』(高津和彦/日本実業出版社)

  知人のいないパーティーなどに、仕事の関係などでどうしても出席しなければならないときは気が重いものです。

 自分以外の誰もがグラスを片手に楽しそうに談笑しているように見えて孤独を感じるし、まわりから「あの人ひとりぼっちね…」などと思われているような気もして恥ずかしいし。でも緊張して誰にも話しかけられない。居心地が悪くて帰りたくなります。

 自然に会話の輪に入って、パーティーを楽しむ方法はないものでしょうか?

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 ここでは、パーティーが苦手な人でも、ひとりぼっちにならずに済む会話や振る舞いのコツを、「ベストスピーカー教育研究所」代表でスピーチトレーナーの高津和彦氏の最新著書『あがってしまうシーンでも相手にきちんと伝わる話し方の授業』から紹介しましょう。

まずは無難な声がけから

 まずは、パーティー会場に入る前に「今日の目的は、知らない人と会話をすることだ!」と気持ちを前向きにします。せっかくのパーティーなのですから、楽しまなきゃソン、という気持ちでのぞみましょう。“気”は大事です。

そして、会場を端から端まで歩きます。この時、「ウェルカム」な雰囲気を出している人やグループを探しながら歩いてみましょう。そうすれば、必ず何人かと目が合うはず。その中から選んで、ともかく声をかけてみましょう。

「大勢の人ですね」
「私、今日ここ初めてなんですよ」
「いつも来られるんですか?」

 まだ会場の雰囲気も硬いし、相手がどんな人かもわからないので、このような一般的な話からスタートしましょう。

 あちこちに会話が聞こえて会場が温まってきたら、そしてその人がいい人だなと思えたら「初めまして、私は……」と、名刺を差し出しながらできるだけシンプルに自己紹介します。

話を発展させるには固有名詞を織りまぜる

 会話が盛り上がりそうだと感じたら、タイミングを見て自分の情報を開示していきます。その時に固有名詞を入れると効果的だそうです。

鏡の理論。自分から開くと相手も開く。固有名詞を出すということは、相手との共通事項を早い段階でつくること。そうすると話が盛り上がりやすい。
192ページより

 たとえば、「オフィスは西馬込にあるんです。都営地下鉄浅草線の終点。いつでも座れますよ」と具体的に話せば、「ああそれはいいですね、自分などは……」と相手もノッてきやすい。相手に、「この人は自分に心を開いてくれているな」と思ってもらうことが肝心なのです。

 もうひとつ、表情にも気をつけましょう。秘訣は、口角45度の「ニコッ」と、「Warm & Welcoming Eyes(温かくて招き入れる目)」で相手の目を見ること。恥ずかしがらずに。

話に割って入る時は「パッと入ってサッと終わる」

 談笑の輪に入っていくのは、ちょっとハードルが高いと感じます。「失礼に思われないか不安」「自分が入って雰囲気が悪くなったりしたら気まずい」。パーティー慣れしていない人はみんなそう思うでしょう。でも大丈夫。次のことを意識すれば、自然に輪に入ることができるはずです。

1.まず、話に割って入っても文句を言われないように表情を良くしておく。
2.入ろうとする話に聞き手として参加しておく。すでに場の一員として。
3.感嘆詞で話に入る。「え~!」、「ほんと?」、「すごい!」には誰も文句言えません。
4.機を見て質問する。誰からも「それそれ!」、「良い質問!」と言われるような。
193ページより

 もうひとつ注意したいのは、話し手の言葉に被せないこと。被された相手は「邪魔された!」と思うでしょう。そうならないためには、「パッと入ってサッと終わる」こと。「ウケたでしょ?」「カッコいい!」など、ひと言で終えるようにします。

 みんなが「失礼があっちゃいけない」とばかり思っていると、ひとりの人の話をずっと聞いているだけになります。自然と話も長くなって盛り上がらず、だんだんと居心地が悪くなりますから、積極的に輪に入りましょう。

話を切り上げたいときはこのフレーズで

 会話が続いている時に「そろそろ次の人と話したいな……」と思いはじめても、失礼にならないか気になって、なかなか言い出せないのはよくあること。こんなときには次のようなフレーズを使うときれいに切り上げられます。

1.ちょっと食事(ドリンク)取ってきますので、また後ほど。
2.ぐるっと回ってきます。お話ありがとうございました。
3.まだまだ挨拶に回らないとダメなんですよ、ではまた。
4.さ、契約とってこようかなぁ!
196ページより

 一番大事なのは相手に納得してもらい、「どうぞどうぞ」と言ってもらえることです。もし話を切り上げたかったら、ためらわずに心を決めて、上のフレーズで締めましょう。そのとき、くれぐれも最後の「ニコッ」を忘れないよう。別れ際の印象も大切です。

 慣れないパーティーでは誰もが結構あがってしまって、スムーズに個性を発揮できないものです。それはスピーチやプレゼンなど、あらゆる「話す」場面に共通することです。

 『あがってしまうシーンでも相手にきちんと伝わる話し方の授業』には、人前で話すときの「アガリ症」を克服するトレーニング法や、スピーチの途中で頭が真っ白になったときの切り抜け方、雑談力の高め方など、緊張してしまうシーンでの「話し方」のコツが満載です。

 自分がアガリ症だと思っている人、スピーチに苦手意識がある人、そんな人たちに自信を与えてくれる最適の書です。

文=日本実業出版社