一重まぶたがモテる!? 日本とフランスで“女の賞味期限”が大きく違う理由

暮らし

公開日:2016/5/8

『年をとってもモテるフランス人 年をとるとモテなくなる日本人』(吉村葉子/宝島社)

 ネット上ではたびたび、女の賞味期限について話題になる。「20代後半に入ったらもうオバサン」、「30代で未婚は売れ残り」…などとにかく酷い言われよう。さらに40、50代で美しい人は「美魔女」と呼ばれるようになる。一見褒め言葉のようだが裏を返せば、その年代の女性が美しいことが“異端”であるかのようだ。

 そんなわけで、日本はなんとなく「やっぱり若い女の子がいいよね」という雰囲気に包まれている。では、年齢を重ねたら女は終わりなのか? 否! 終わらないし、むしろ歳をとってからが始まりなんですけど! という熱いメッセージを送った一冊が、『年をとってもモテるフランス人 年をとるとモテなくなる日本人』(吉村葉子/宝島社)。

 著者の吉村葉子さんは、20代から40代までの20年間をパリで過ごした。そこで得た経験をもとに綴ったのが本書。

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 フランスでは、キャッキャしたマドモアゼルよりも、40代を過ぎたマダムに憧れの眼差しが集まるらしい。ここでいうマダムとは、金持ちであるとか、美人であるとか特別な人を指すのではない。自分なりのオシャレを楽しみ、パーティーがあれば飛んでいき、人との出会いや別れを積極的に楽しむ女性のこと。

 日本の女性たちが、寄る年波を恐れている間にも、フランスのマダムたちは、昼間から恋人(夫ではない)と愛を語り合っているというではないか。一体この違いはなんなのか? 本書では、フランス女性の生き方、考え方、モノの見方を、具体的に解説してくれている。

恋をしなくなったら、女は老ける!

 フランスといったら、アムール。愛と恋がこの国の人たちの原動力になっている。本書に出てくる、マダム・テシエのエピソードが印象的だ。御年90歳になろうとする彼女のもとには、今も年下の男性があしげく通ってくる。過去に3度結婚した経験を持ち、未亡人になってからもずっとモテ続けている。なぜ彼女は恋をし続けるのかと問うと、こんな答えが返ってくる。

「だれかを愛していると、気持ちがポジティブになって他の人にも、子供たちにも優しくなれるから、いいことづくめ」(マダム・テシエ)

 フランス女性は、恋愛に対して生涯現役というわけだ。カッコイイ!

美意識は十人十色、コンプレックスもカワイイ!

 日本では、パッチリ二重の目=美人の象徴という風潮がある。ところがフランス人男性には、一重まぶたの日本人女性が、セクシーでモテるのだという。そもそも、美女のカテゴリーが日仏でまったく違うそうだ。

「フランス人の美意識は十人十色で、(中略)コンプレックスに当てはまる、容姿に対する気後れがないのである」(著者)

 著者が、とあるモテモテのマダムにモテる理由を聞いたところ、「ダンスがうまいからじゃないかしら?」という答えが返ってきたそうだ。一度は言ってみたいセリフだ。

 今まさに、加齢に悩む女性がいたら、ぜひ本書を手にとってほしい。たくさんのマダムたちから、きっと勇気や自信をもらえるはず。

文=中村未来(清談社)