最近の小学生は「朝の読書」で何を読んでいる?

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/15

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 学校で毎朝10分から15分程度、自分の読みたい本を読む「朝の読書」活動。その「朝の読書」を実施している学校を対象にした“人気の本”ランキングがトーハンから2016年5月2日(月)に発表された。小学校・中学校・高校と3つに分けて実施されたアンケートをもとに、それぞれトップ3に輝いた作品を紹介していこう。

<小学校>
1位:かいけつゾロリ(著:原ゆたか)
2位:学研まんが新ひみつシリーズ
3位:科学漫画サバイバルシリーズ

 1位に輝いたのは、毎年上位にランクインするロングセラーの『かいけつゾロリ』。また、2位の「学研まんが新ひみつシリーズ」、3位の「科学漫画サバイバル」など、読みながら学べる学習まんがシリーズが上位を占めた。トップ3は逃したものの、「ルルとララ」「名探偵シリーズ」など読み物シリーズは根強い人気で、今年は『階段レストラン』など怪談物のシリーズ作品も人気だったようだ。

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<中学校>
1位:空想科学読本(著:柳田理科雄)
2位:カゲロウアイズ(著:じん(自然の敵P))
3位:ハリー・ポッター(著:J.K.ローリング)

 中学校・高校ではその年のベストセラーやメディア化作品など、世間で話題になった作品やライトノベルが支持される傾向が強い。中学校では、2位『カゲロウデイズ』、3位『ハリー・ポッター』と映像化作品がトップ3にランクインしているが、それらを抑えて1位に輝いたのが『空想科学読本』。アニメや漫画の中で起こることを現実的に検証することで、少年・少女たちの夢を壊してきた笑える科学本が1位を獲得した。

<高校>
1位:物語シリーズ(著:西尾維新)
2位:火花(著:又吉直樹)
2位:ソードアート・オンライン(著:川原礫)

 高校では、映画化で話題となった「物語シリーズ」が昨年の7位から1位へ急上昇、2位にはお笑い芸人で初めて芥川賞を受賞し、大きな社会現象を巻き起こした又吉直樹『火花』が続く形となった。

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■『かいけつゾロリ ちきゅうさいごの日
著:原ゆたか
価格:972円(税込)
発売日:1999年12月
出版社:ポプラ社

■『空想科学読本』17巻
著:柳田理科雄
価格:1,296円(税込)
発売日:2016年3月25日(金)
出版社:KADOKAWA

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■『化物語』上
著:西尾維新
イラスト:VOFAN
価格:1,728円(税込)
発売日:2006年11月1日
出版社:講談社

「朝の読書」人気ランキング
調査:朝の読書推進協議会
調査期間:平成27年4月から平成28年3月末
調査対象:「朝の読書」実践校27,667校(小学校16,792校、中学校8,651校、高校2,224校)