「固め止め結び」「外科結び」「鎖結び」…災害時にアウトドアにも使える!ロープ1本でサバイバルに強い人になる方法

暮らし

公開日:2016/6/8

『図解 ひも&ロープの結び方』(羽根田 治:監修/日本文芸社)

 先日起きた熊本地震は記憶に新しい。倒壊した建物を地元の人やボランティアの人たちが片付ける様子を連日ニュースで見る度に「いざというとき、自分は何ができるのだろうか」と考えずにはいられなかった。自然災害や事故が発生する度にそう思う人は少なくないのではないだろうか。災害大国と呼ばれる日本において緊急時用の備蓄を揃えておくのも大事だが、いざという時に役立つ知識をひとつでも覚えておくだけで心持ちは変わってくる。

図解 ひも&ロープの結び方』(羽根田 治:監修/日本文芸社)では、主にキャンプや登山、釣りといったアウトドアシーンで使える結び術を紹介しているが、災害や事故発生時などの緊急時に紐1本さえあれば使える結び方テクニックが満載。分かりやすく図解で紹介されているので、非常食と一緒に常備しておきたい一冊だ。もちろん暮らしの中でも活かせる「結び方」もある。

 一見、覚えるのが難しそうな紐の結び方だが、基本の構成は「引っかける」「ひと巻きする」「巻きつける」「縛る」の4パターン。これを念頭に置いて、まずは本書の最初にある基本の結びを練習してみよう。

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 「結び方」が重要になるシーンは大規模な災害や事故の発生した時。すぐに救助が望めない場合、怪我人の応急処置は近くにいる人がやることになるが、その役割はもしかしたら自分が担うかもしれない。そこで役に立つ結び方として、包帯や三角巾を巻く方法がいくつか紹介されている。なにより簡単で誰にでも覚えやすい点が嬉しい。他にも水辺で溺れた人を救助する用途として、ロープを遠くまで投げられるように端に大きなコブを作る「固め止め結び」「ヒービングライン・ノット」、動かなくなったボートを牽引する結び方などもある。

固め止め結び

 生活のなかで「結び方」がもっとも身近になるのは、新聞や雑誌をまとめる時だろう。片方の端を引くとすぐに解ける「かます縛り」や強度を持たせてしっかり結べる「外科結び」(外科手術で使われていたことが由来)はすぐに実践できるので挑戦してほしい。ユニークな「結び方」をあげると、長い電気コードをまとめる「鎖結び」。ループ状にいくつもの小さい輪ができるので見た目もオシャレで綺麗にまとまる。風呂敷で物を包む方法から紐を使って川でスイカを冷やすなど、知らなくても問題ないが、知っているとちょっと自慢したくなる結び術も登場する。

外科結び

鎖結び

 「結び方」は古くからから暮らしの“知恵”だったが、今では一部のアウトドア好きや専門の職業に従事する人以外、その知恵を知る人は多くない。何かと自然災害が多い現代こそ、結び方の重要性を今一度見直す時期ではないだろうか。そして少しの知識がいつか誰かの役に立てる日もそう遠くないかもしれない。

文=挾間みゆき