実は犯罪だった! タグ付け、写真アップ、口コミ、ブログ…危険すぎるSNS

社会

公開日:2016/6/9


『その「つぶやき」は犯罪です―知らないとマズいネットの法律知識―(新潮新書)』(神田芳明、香西駿一郎、前田恵美、深澤諭史:著、鳥飼重和:監修/新潮社)

 会社のグチをツイートした。フェイスブックで友人をタグ付けした。芸能人の写真をインスタグラムにアップした。気になる噂を拡散した。マスコミが書かない記事をブログに書いた。これらはすべて犯罪かもしれない。『その「つぶやき」は犯罪です―知らないとマズいネットの法律知識―(新潮新書)』(神田芳明、香西駿一郎、前田恵美、深澤諭史:著、鳥飼重和:監修/新潮社)によると、インターネットには取り締まりきれないほどの“犯罪”があふれているという。

 どこがどうなると罪になるのか。本書は、さまざまな事例をもとに専門の弁護士らが指摘し、わかりやすく解説する。冒頭の例のように、日常にあふれた事柄にも、トラブルだけでなく、最悪の場合、警察沙汰や裁判沙汰になる可能性が。知らなかったでは済まされない投稿や危険な行為をいくつかご紹介したい。

会社のグチで損害賠償請求、顧客情報のツイートで懲戒免職に!

 会社のグチも、飲み屋でくだを巻いて吐き出すのと同じ感覚で、インターネットを使ってはいけない。書き込んだ事実は残り、瞬時に不特定多数に情報が拡散するのだ。ただのグチのつもりでも、会社の信用を落としたり、深刻な被害が起こったりしたら、業務妨害や名誉毀損で損害賠償請求されるかもしれない。

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 すでに企業も対策を講じ、常識になりつつあることだが、就業時間外で社外であろうとソーシャルメディアなどを利用して、会社や顧客をネタにしたことを発信するのも危険だ。顧客のプライバシーを侵害したり、誹謗中傷したりしたとされれば、罪に問われなくとも、就業規則に基づく懲戒処分が下される場合も。

 ネット上では匿名だし、消せば大丈夫、とはならない。そもそも消された情報もキャッシュとして保存されたり、いざとなればプロバイダに発信者情報開示請求をしたりすることができる。個人はすぐに突き止められるのだ。ネットで匿名だから何を言ってもいいなんてことは決してないのだ。

プライバシー権侵害と肖像権とは? タグ付けも写真撮影も許可を取ること

 フェイスブックでのタグ付け。その場にいる人が誰なのかを写真などで紐付けする機能だが、これにより、「いつ、どこで、誰と、何をしていた」といった“友だち”のプライバシーが暴露されることになる。そのため、例えばタグ付けした写真が証拠になり、会社をサボって出かけた事実が上司にバレるなんてことも。それでクビにでもされたら? 

 タグ付けされた側にとって、知られたくない事実ならば、プライバシー権侵害になるのだ。

 同様に、肖像権も侵してはならない。今や、誰もがスマホで写真を撮って、すぐにネットに掲載できる。とはいえ、誰かを撮影する場合、それが芸能人であろうと一般人であろうと、撮影するのも公開するのも、相手の了承なく行うのは、肖像権やプライバシー権の侵害になる可能性がある。

 権利や法律で言うと難しく感じるかもしれないが、要は「公開されたら嫌な写真は公開しない」ということ。マナーとして覚えておきたい。

善意であろうと…噂の拡散は事実でなければアウト

 東日本大震災の後の風評被害が典型だが、確実な裏付けもなく、ある産地の生産物が危ないなどとツイッターで拡散するのも違法になる可能性がある。

「公共の利益のための真実の情報か、真実であると信じる『相当な理由』があれば、違法ではなくなる」とのこと。つまりはよほど真実である確証がない限りは、オンラインで周知にかかわることは避けたほうがよさそうだ。

 また、ネットでよく見かける「マスコミに書かれていない極秘情報」も要注意と同書は指摘する。例えば、マスコミは圧力に弱いので真実を書けないと考える人がいるが、今の日本には新聞、テレビ、雑誌とさまざまな立場がいて、そのすべてに圧力をかけられる組織はないとバッサリ。マスコミの書いていないことの多くは、「裏が取れていない」か「確証がない」ということなので、ネットでまことしやかに主義主張されたそうしたネタは、信じるに値しないというスタンスが賢明かもしれない。

 善意や正義心であろうと、そのことで誰かを傷つけたり、不利益を被らせたりすれば、それは犯罪かもしれない。クリック1つでできる、リツイートやシェア、コピペも、与える影響をよく考えてから実行したい。

 ネットリテラシーと一口に言うようになったけれども、その範囲はこうして法律や罪とも密接で、その奥行きと危険度はまるで深淵のよう。知らぬ間に加害者や被害者になることは誰にでも起こり得る。そうならないためにも、ネット社会では正しい知識と対処法を身につけておきたいものだ。

文=松山ようこ