トイレに行けないほど怖い!高校生達を襲う猟奇殺人、犯人は呪いの人形?本格ホラーサスペンスマンガ

マンガ

公開日:2016/6/11

 幽霊の仕業がいいか、それとも人間の仕業がいいか? 究極の二者択一を求められるような作品が登場した。6月11日に発売となる『人形峠』(方條ゆとり、望月菓子/小学館クリエイティブ)は、今、怖いもの好きのあいだで話題となっている作品だ。

高校生の農業体験が悲劇に!

 この作品は、3泊4日の農業体験に出かけた高校生たちの物語。ステイ先は、S県の幸神村。携帯の電波も届かない閉鎖的な村である。ここでいくつかの班に分かれて滞在することとなる。一見どこにでもある、普通の村のようだが…?

 ストーリーをひと言でいうと、まるで横溝正史の『犬神家の一族』や『八つ墓村』を彷彿とする心霊的かつ謎解きの要素がてんこ盛りの本格的なホラーサスペンスなのだ。
 第1話はショッキングなことに、血まみれの高校生達が倒れ込んでいるシーンから始まる。話のカギとなるのが、蔵に保管されている人形だ。とある家では「ひいな様」と呼ばれている。

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 第一の事件は、この人形を「生きた女の子」扱いをしだした賢登の身に起こる。行動がおかしいと思い、みんなの監視下に置かれていたが、ふと目を離した隙に息絶えていた…。しかも、その体はまるで「人形に食べられた」かのように内蔵がえぐられていた。

犯人は「呪い」か「人間」か?

 まるで人形取り憑かれたかのように行動していた賢登からは、「呪い」や「たたり」と言ったことばが浮かぶ。だが、そんな非科学的な考えに対抗する人物もいる。皐は「誰かに殺されたんだ」と、他殺説を直感する。

 話が進むに連れて、「やっぱり呪いか?」「それとも人間の仕業か?」と2つの考えの間でもだえ苦しむこととなるだろう。特に1巻最後に収録されている「8体目(第8話)」に登場する「幸神村」についてのエピソードを知ると、さらに身悶えること間違いない。

 そう思うのはみんな同じらしく、読者からの反響もすさまじい。怖くて「トイレに行けない」や「スリル感あって面白い、続きが気になる」「ひいな様怖い」などの声が寄せられている。
 この作品は、連載型の新作マンガ配信サービス「GANMA!」にて絶賛連載中だ。「GANMA!」では、各回ごとに読者からのコメントが投稿されているが、作品の怖さに引き込まれているようだ。

 第1話発表当時から、単行本化が待望されていただけに、その怖さはハンパない。それもそのはず、作者の一人、方條ゆとり氏は『ひぐらしのなく頃に』(スクウェア・エニックス)シリーズのコミカライズ化を担当。ホラーに関してはプロなのだ。

 この第1巻は、残念ながら壮大なストーリーの「はじまり」に過ぎない。次々と濃いキャラが登場し、これまた読者から突っ込みが入る自体となっている。
 そう、『人形峠』は本格的ホラーサスペンスなのだが、個性的なキャラ達によって、「ホッとひと息」付く瞬間も多い。この緩急の使い分けが巧みなのだ。「ゾクッ」としたと思ったら「安心」する。単行本では、この山あり谷ありの連続を楽しんで欲しい。最新ホラー作品に注目だ。

文=武藤徉子

■『人形峠』1巻発売記念 サイン会inTSUTAYA三軒茶屋店
6月18日(土) 16:00~
TSUTAYA三軒茶屋店(東京都世田谷区太子堂4-1-1キャロットタワー2階)にて、トークイベントおよびサイン会などを開催。
『人形峠』1巻をTSUTAYA三軒茶屋店で購入し、参加チケット(なくなり次第終了)を受け取った人のみ参加できる。チケット配布期間は、6月11日(土)から。
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