【対談連載/第1回】蒼井ブルー×紗倉まな 蒼井ブルーによる紗倉まな撮りおろしストリートスナップも!

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公開日:2016/7/1

ツイートをまとめたエッセイ『僕の隣で勝手に幸せになってください』『NAKUNA』がベストセラーとなっている写真家・蒼井ブルーさんと、『最低。』で小説家デビューを果たした人気AV女優・紗倉まなさん。ともに「本業」を持ちながら、「言葉の仕事」も大切にしている二人が初めて顔を合わせた。実感のこもった名言の数々……。蒼井ブルーさんによる撮りおろしスナップも必見!!

過去の自分に励まされるんです。(蒼井)

写真=蒼井ブルー

蒼井:まなさんはツイートが面白いなと前から思っていたんですけど、本を読んでめっちゃびっくりしましたよ。本物の作家さんじゃないですか! 素朴な質問していいですか? なんでこんな長い文章で、しかも面白く書けるんですか!? 僕は長文に苦手意識があるので尊敬します。

紗倉:伝えたいことがうまく伝えられてないなぁと思うと、どんどん長くなっちゃうんです。私は逆に、自分の気持ちを短い文字数で的確に伝えられるブルーさんってすごいなと思います! ツイッターとか、私はあまり得意じゃないんですよ。「どうやったら140文字でうまくまとめられるのかな?」って思うんです。

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蒼井:僕はツイッターを始めた理由が、1冊め(『僕の隣で勝手に幸せになってください』)の「おわりに」のところにも書いたんですけど、人生で一番好きだったかもしれない子と付き合ってて、振られて。心に穴が空いたみたいな状態の時にツイッターのアカウントを作って、未練がましいツイートをうじうじダラダラ垂れ流していたんですね(笑)。

紗倉:つらいことをネタにして成仏……みたいなスタンス、好きです(笑)。

蒼井:そういう気持ちから始まったんですけど、だんだんフォロワーさんが増えてきて、「読まれている」みたいな自意識が出てくるじゃないですか。そこから徐々に変わっていきました。さらっと読んでもちゃんと人に意味が伝わるように書こう、と。不特定多数の人の目に触れている以上、最低限気を使わなきゃいけないことはあると思うんですけど、表現の未熟さから誰かを傷つけてしまったり、誤解が生じたりするのって面倒じゃないですか? いや、そうじゃないんだよ、と。なので、人の目を気にするみたいな理由からであったとしても、わかりやすくまとめるっていう意識になれたのはいいことかなと思っています。

紗倉:ブルーさんのつぶやきを見ていて思うのは、自分の気持ちをただつぶやくだけだったらきっと、もっと違う書き方になるんじゃないかなって。気づかない人はブルーさんの今の感情なんだな、とか、今悩んでることなんだなって思うのかもしれない。でもよく読むと、もちろん自分の気持ちを込めているんだけど、人を励ましたり慰めの言葉になるように書いてくれてるって感じると思うんです。私はすっごく、人に対する愛を感じるんですよ。

蒼井:ありがとうございます! なんて言うか……あのぉ……本当にそんないいものでした?

一同:(笑)

紗倉:いいって言われると疑心暗鬼になってしまう感じ、分かります!(笑)

蒼井:自分で自分に書いている部分がやっぱり大きいんですよ。僕、メンタルが弱くてすぐヘコんだりするんですね。そういう気持ちをツイートで残しておくと、またヘコんだときにそれを遡って、「ああ、そうそう、このときはつらかったなあ」となって、で、どうやって元気になっていったかも残してあって、たとえば焼肉に行っていたりとかして、よっしゃじゃあ今回も焼肉行って元気出すかー! みたいになれるんです(笑)。過去の自分に救われる……まで言ったら大げさですけど、元気になるきっかけくらいはもらえたりするんですね。人間、ダメな時って人の言葉もあまり耳に入ってこないと思うんですけど、そんな状態でもスッと入ってきやすいようにまとめておくこと、残しておくことをやっていけたらなあと思います。

取材・文=吉田大助

第2回は7月2日(土)午前11時更新!→https://ddnavi.com/news/308954/a/

(プロフィール)
蒼井ブルー(あおい・ぶるー)●大阪府出身。きゃりーぱみゅぱみゅをはじめ、原宿のファッションアイコンを起用して行ったストリートスナップが話題を呼び、カメラマンに。ファッション系人物撮影をメインに広告、誌面、ウェブなど幅広いシーンで活躍中。日常を独特なタッチで綴るTwitterでは16万近いフォロワーを抱えるなど、発言にも注目が集まる。

(プロフィール)
紗倉まな(さくら・まな)●1993年3月23日、千葉県生まれ。工業高等専門学校在学中の2012年にSODクリエイトの専属女優としてAVデビュー。2015年にはスカパー! アダルト放送大賞で史上初の三冠を達成する。テレビ出演や雑誌の表紙グラビアなどでも活躍し、『週刊プレイボーイ』(集英社)、『messy』(サイゾー)でコラムを連載中。著書に『高専生だった私が出会った世界でたった一つの天職』(宝島社)がある。