2011恋愛小説ランキング 1位は有川浩『県庁おもてなし課』

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/27

今年は、有川浩の『県庁おもてなし課』の年だった。この恋愛小説部門と総合で第1位に輝き、ミステリー・エンタメ部門でも5位。有川浩は恋愛小説部門2年連続の首位獲得で、驚異の活躍ぶりだ。

『県庁おもてなし課』は高知県庁に実在する「おもてなし課」を題材にしたフィクション。情熱的お仕事小説であり、そこに愛と夢と希望がいっぱいに詰まっている。「高知県には光がある!」──掛水の奮闘は、私たちの心にも光をくれる。この作品は、今の私たちが本当に必要としている小説なのだ。

続く、2位『抱擁、あるいはライスには塩を』(江國香織)と3位『おしまいのデート』(瀬尾まいこ)も、素晴らしい名作。前者は卓越した精緻な文体で柳島家の愛の物語に引き込まれ、後者は優しい眼差しで人と人の関係を描き、心温まる読後感。

ランキングは下記の通り。

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■1位 『県庁おもてなし課』有川浩(角川書店)

■2位 『抱擁、あるいはライスには塩を』江國香織(集英社)

■3位 『おしまいのデート』瀬尾まいこ(集英社)

■4位 『マザーズ』金原ひとみ(新潮社)

■5位 『本日は大安なり』辻村深月(角川書店)

■6位 『ニキの屈辱』山崎ナオコーラ(河出書房新社)

■7位 『わたしの彼氏』青山七恵(講談社)

■8位 『木暮荘物語』三浦しをん(祥伝社)

■9位 『うから はらから』阿川佐和子(新潮社)

■10位 『ゆず、香る』有川浩(ほっと文庫 バンダイ、角川書店)

(ダ・ヴィンチ1月号 「BOOK OF THE YEAR」より)