奥菜恵とサエコの似て非なる結婚観

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公開日:2016/7/28


 先日、女優の奥菜恵さんが9歳年下の俳優木村了さんとの結婚を発表されました。奥菜さんの結婚は今回で3度目、昨年、前夫との離婚がようやく成立し、2人の娘さんを連れての結婚になりました。ところが、マスコミからは「どうせ、長くもたないだろう」などとネガティブな声が多く聞かれます。

 奥菜さんといえば、2004年にサイバーエージェント社長・藤田晋さんと結婚するも、わずか1年半で離婚、巨額の財産分与を受けたとも言われています。その4年後には一般男性と結婚され、2人の娘さんに恵まれるも、わずか2年後には別居状態。3年間の別居生活後に離婚が成立しました。そして、今度は年下の若手俳優の木村さんと3度目の結婚をされました。こうした奥菜さんが、今回の結婚でも「長く続くとは思えない」といわれるのは、仕方がないことなのかもしれません。

 このように次々と結婚・離婚を繰り返す女性は、2つのタイプに分けられます。

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 1つ目のタイプは、結婚相手のステイタスなどによって、自分の価値を上げていくタイプの女性です。こうした女性は「わらしべ長者」のように、結婚する相手によって自身のステイタスを上げ、また、次のステイタスの高い男性と付き合っていくというタイプです。代表的なのは、タレントの紗栄子さんではないでしょうか。

 そして、2つ目のタイプが、そのときどきに自分に合った男性を選んでは、気分が変わったかのように別れて、また、次の男性を探していく女性。こうした女性は、一貫した理想の男性のタイプがある訳ではなく、いわば思いつきのように男性を選んでしまいます。こうした女性はいわゆる「自分が大好き」タイプで、奥菜さんは、こちらのタイプではないでしょうか。

 1つ目のタイプの女性は、目的が明確ですから、結婚に対する覚悟もできていることが多いそう。それに対し、2つ目のタイプの女性は、思いつきで結婚相手を選んでは離婚し、前の男性に足りないものを求めて次の結婚をする、という「ないものねだり」をつづけてしまうため、覚悟ができていないケースが多いようです。また、結婚がうまくいかなかった理由を相手のせいにしていることも多く、次の男性に逃げてしまうのです。

 こうした結婚・離婚を繰り返しながらも、次々に「条件のいい相手」が現れてくる女性には、いわゆる「魔性の女」といわれるような魅力的な女性が多いのも特徴です。私が運営するサロンに、3度目の離婚を迷っていると永田結奈さん(仮名/35歳・千葉県)が、相談に来られました。結奈さんは派手な印象はなく、小柄でおとなしい雰囲気でありながら不思議な魅力のある女性です。

 結奈さんは、20歳のとき大学時代に知り合った10歳も年上の男性と1度目の結婚。お相手は、会社経営をされている頼りがいのあるタイプ。熱心なアプローチを受けて結婚し、大学を中退しました。年上の夫は結奈さんを大切にするあまり「家事なんかしなくていい」とヘルパーさんまで雇ってしまいました。結奈さんは時間をもてあましましたが、夫は仕事が忙しく、一人きりで家でぼんやりするばかりでした。2年ほどの結婚生活後「私は必要とされていない」と寂しさに耐えられず、家を出てしまい離婚となったそうです。

 次の結婚は、高校生のときにつき合っていた男性で、1歳上の会社員。この男性とは友達夫婦のような関係で、子どもを授かり、家族になれたと結奈さんは言います。しかし、1つ上の夫は頼りなく、子どもができても結奈さんに甘えるばかりで、父親として頼りにならず、共働きの結奈さんの負担は増すばかりでした。尊敬できない夫に嫌気が差していたころ、夫の浮気が発覚、結奈さんは子どもを連れて実家に戻り、半年後には離婚が成立しました。

 そして、3度目の結婚の相手が子どもの保育園で知り合った聡さん(仮名/30歳)です。シングルマザーで頑張る結奈さんとシングルファザーで仕事と子育てに一生懸命な聡さんは、すぐに意気投合し、すぐに同棲を始めました。そして、子どもたちの後押しもあって、1年後に入籍。ですが、結婚2年目になり、聡さんとの生活にも溝ができ始めているそうです。子どもたちに対するしつけや教育について、2人の価値観が違うと言います。夫婦ならよくあることだと思われますが、再婚同士となると簡単な話ではないようで、口論の末に聡さんから「俺の子どもに関わらないでほしい」と言われたそうです。子育てに関わらず、自分の意見を曲げない聡さんの頑固ぶりに、結奈さんは閉口していました。

 知り合ったときには、父親として頼もしく思えた聡さんですが、今ではただのワンマン亭主でしかないとため息をつきました。

 結奈さんは結婚するたびに、相手の悪いところばかりが目につき始めるといいます。離婚になっても、自身を振り返って反省するよりも、離婚の傷を癒すように違うタイプの男性と付き合い始めてしまうのです。離婚後の女性にはありがちなことですが、これでは結婚しても、また離婚を繰り返すことになってしまいます。離婚の傷を癒すには新しい恋愛が一番ですが、次の恋愛に進む前にしっかりと離婚と向き合っておくことが大切です。そして冷静に原因を分析し、自分の悪かった点は改善しましょう。結奈さんには、聡さんとの離婚を考える前に、今までの離婚を振り返って自身の欠点を知り、直すべきところは直すべきとアドバイスしました。離婚は時期尚早なので、夫婦関係を再構築すべきと伝えました。相談後2か月経ちますが、結奈さんからのその後の報告は、まだありません。

 結婚・離婚を繰り返す女性には、誰かに幸せにして欲しいと願っているタイプが多いようです。それではなかなか幸せになれません。自身が幸せになるためには時には痛みを伴う選択も必要です。そのうえで「この人」と前向きに決断できたなら、添い遂げる覚悟もできるはずです。

文=citrus岡野あつこ