目の疲れは体の不調に…。眼精疲労専門医が教える、最も効果的な目の疲れの取り方

健康・美容

公開日:2016/8/16

『目を温めると身体が自然によみがえる!』(森岡清史/サンクチュアリ出版)

 寝る前にスマホやパソコンを見ると寝つきが悪くなるらしい、そんな話を聞いたことはありませんか? 実はそれ、交感神経の興奮が原因かもしれません。現代人は仕事でパソコンを使うことはもちろん、スマホの普及で暇さえあれば画面とにらめっこしていることが多くなりました。携帯ゲームやスマホアプリに夢中になり、気がつけば何時間もたっていたという人も多いのではないでしょうか。こうした目の使い過ぎによって引き起こるのが「目の疲れ」であり、「目の筋肉」は常にカチカチの状態になっています。

 目のまわりの筋肉がかたくなると何が起こるのでしょうか。まず、筋肉がかたくなることによって目のまわりの血流が悪くなり、目のまわりが冷えてしまいます。この状態が続けば交感神経が過剰に働き、顔から首の筋肉の緊張と脳への血流制限が起こります。交感神経が興奮状態になればイライラしたり、疲れたり、不安になったりと精神的に落ち着かない状況になります。また、眠りの質が低下し、いくら寝ても疲れがとれなくなってしまい体調不良の原因となるのです。このように実は目の疲れは体のいたるところの不調の原因となってしまいます。しっかり寝たはずなのに疲れる、なんだか体がだるいとお悩みの方、寝る前にスマホやパソコンを使うのを少し控えてみましょう。

 体の不調がもしかしたら目の疲れからきているのかもしれない、 しかし、具体的に目の疲れをとるためにはどうしたらよいのでしょうか。そこでおすすめしたいのが眼精疲労専門医による『目を温めると身体が自然によみがえる!』(森岡清史/サンクチュアリ出版)が提唱する、つけて寝るだけの温感アイマスクで自律神経をやわらげる方法です。目の疲れをとるためには「目のまわり」を温めることが最も効果的であり、専用のアイマスクでゆっくりじんわり目を温めることで視力の回復も期待できるという実に簡単で画期的な方法です。

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 目を温めるというとホットタオルやお風呂などを連想する人も多いと思いますが、短時間で急激に目を温めた場合、その反動で冷え、筋肉がこわばってしまうということがあります。大切なのはあくまでも「ゆっくりと長時間かけて、じんわり温め続ける」ということです。付属のアイマスクはバイオラバー素材でできており、つけると自分の体から発している赤外線を反射してじんわりと温めてくれます。大変軽い素材で目への負担もなく、アレルギーの心配もないので大人から子供まで着用可能です。ゲームのやり過ぎかここ1年間でぐっと視力の低下した小学校高学年の長男に使わせたところ、普段なら夜中に目が覚めることがあるが、その日は朝までぐっすり眠れてすっきりしたとのこと。アイマスク健康法は大人だけでなく子供の眼精疲労や睡眠の質の低下にも役立ちそうです。

 文部科学省の平成27年度学校保健統計によると、裸眼視力が1.0未満の子供の割合が幼稚園では26.82%、小学校では30.97%であるのに対し、中学校では54.05%、高校では63.79%と増加傾向にあります。視力低下の最大の原因はピント調節機能が働かなくなることであり、水晶体を調節している毛様体筋がこわばることによって起こります。こうした子供の視力低下も多くが目の使い過ぎによる「目の疲れ」が原因であり、目を酷使しているのに疲れがとれない悪循環が視力低下の一因となっています。

 大切な子供の目の健康のためにも、家族みんなの健康のためにも、 寝る前のゲームやスマホの禁止、アイマスクの着用を習慣にしてみてはいかがでしょうか。

文=朝倉志保