20分で作れる「パスタ&副菜2品」献立! “こなす”料理から “楽しむ”料理に変わるレシピ【作ってみた】

食・料理

公開日:2016/8/23

『もう献立に悩まない』(高木ゑみ/マガジンハウス)

 「作りたいものが決まらない」「作る時間がない」「料理に自信がない」という台所仕事における3大お悩みに応えてくれるのが『もう献立に悩まない』(高木ゑみ/マガジンハウス)。前作『考えない台所』(サンクチュアリ出版)では毎日1時間、料理にかける時間が減ったら何をしたい? と問いかけていた高木ゑみさん。予約の取れない料理教室の先生である高木さんが主婦や働くお母さんに向けて書いた本書は、料理上手な人が自慢の料理を華やかな写真とともに紹介するレシピ本ではなく、自分の家の1週間の献立(調理時間はすべて20分!)をオープンにした、毎日の料理が辛いひと向けのアイデア集、その解決法を記した本なのです。

本当に3品20分でできるのか作ってみた! サーモンとアボガドクリームのパスタ+副菜2品

   

【サーモンとアボガドクリームパスタ】

沸騰したお湯にパスタを入れたら、大き目のボールでソースを作ります。にんにくすりおろし1かけ分、ごま油・マヨネーズ・オリーブオイル・生クリーム各大さじ1、レモン汁大さじ1/2にアボガドの半分をフォークで崩しながら和えて完成。アボガドの残りと刺身用のサーモンを食べやすい大きさに切り塩コショウする。茹であがったパスタの湯をきり、ソースを入れたボールに加え全体を混ぜます。最後に切ったアボガドとサーモンを軽く混ぜてできあがり。

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 具もソースもパスタが茹であがる間にできてしまいました。サーモンもアボガドも生で美味しく食べられる食材の上、見た目も華やか。食欲の落ちる夏にもうれしいひと品です。お洒落なだけでなくゴマ油が隠し味になって食が進み、満足感もしっかりあります。プロの調味料の使い方ですね。塩を控えめにして、イクラを載せるのもおすすめとのこと。もし自分がお客さんで、こんなに手際よくおもてなし料理を出されたら驚くだろうなあ。

【副菜1 ささみとクレソンのサラダ】

 小鍋に筋を取ったささみ、酒、塩を入れて火にかける。沸騰したら裏返してふたをし、火を止める。そのまま冷めるまで置いておく。クレソンのかたい部分を取り除き、ざく切りに。トマトを切る。ボウルにバルサミコ酢・しょうゆを各小さじ1、はちみつ小さじ1/3、EVオリーブオイル大さじ2に塩コショウを加えよく混ぜます。ほぐしたささみとクレソンを入れて和えたら器によそり、トマトを飾ってできあがり。

 クレソンのピリッとした風味とバルサミコ酢+しょうゆのドレッシングがベストマッチ! 

【副菜2 かぼちゃのローズマリー焼き】

 スライスしたにんにくひとかけ分をフライパンに入れ、オリーブオイルをたっぷり入れてゆっくり弱火にかけます。種をとり、1㎝の厚さに切ったかぼちゃ、ローズマリーを加えて薄く色づくまで火を入れる。塩、こしょうで味をととのえたら完成です。

 副菜1はささみを冷ます時間、副菜2はかぼちゃに火を通す時間があるのでメインのパスタより先に作り始めています。食材はまとめて切っておき、それぞれバットや使ってないお皿にポンポン放り込んでおきます。かぼちゃやささみを加熱している間にパスタを茹で始めたり調理器具を洗うことができます。これは「一度に洗って切るだけで、15分が浮く」(P.77)で紹介されている、メニューをまたいで作業工程を進めるやり方。下ごしらえ→洗い物→調理スタートという手順で無駄な動きをなくし、結果時短になる。本当に20分で3品作れた上、料理で使った器具も洗えたから、食後の食器洗いまで気が楽になりました! 段取りの良さって連鎖するんですね。

 この他にも食べたい味がすぐ作れる「レシピ本に頼らなくなる67の味付け」早見表や、自分の献立のクセや未開拓の調理法が一目でわかる「メインおかず最強シート」、素材の食感や風味を損なわない「一歩手前料理」に、冷蔵庫にあるもので作れる「名もない副菜」のレシピがもりだくさん。どれもシンプルで応用が効くものばかりです。

卵一つだって歓声♪ 揚げ卵

 小皿に割った卵を高温の油で60秒揚げます。白身で黄身を包み込むように形を整え、取り出したら塩をふります。

 香ばしい外側と中からトローっとでてくる黄身がたまりません。著者の高木さんのお宅ではフライドポテトと一緒に揚げ、黄身をからめて食べるのが定番とのこと。蒸し野菜やドライカレーにトッピングしてもいいですね。

 自分がラクになるアイデアを試していたらいつの間にか手際のいい習慣が身についている。本のタイトルは『もう悩まない』ですが、著者が悩み、考え抜いた台所仕事の最短距離を惜しみなく教えてくれる本です。ルーティンワークを楽しくすることは人生を楽しくすること。著者のぶれない信念が伝わってきます。私ってやるじゃん! を積み重ねて、「こなす」台所仕事を「楽しむ」台所仕事へ変えてしまいましょう!

文=oko