『ONE PIECE』に登場する「パワフルばあさん」ベスト5

なんでもランキング

更新日:2016/10/3


『ONE PIECE』(尾田栄一郎/集英社)

 第82巻まで刊行された単行本の発行部数は3億冊を軽々と超え、モンスター級の人気を誇る『ONE PIECE』(尾田栄一郎/集英社)。魅力的なキャラクターが数々登場し、ファン同士で好きなキャラを語り合うこともしばしば。すべての読者から人気を集める「麦わら一味」や圧倒的なキャラと強さを誇る「四皇」など、読者が好きなキャラクターを挙げればキリがない。

 さて、最近私はあることに気がついた。ワンピースには強い信念とパワーを持ったキャラクターが数多く登場し、その中には、還暦を過ぎてもパワフルに闘う「ばあさん」が山ほど登場している。彼女たちの生き様は、現代社会で活躍する女性たちの憧れであり、目標とすべき存在になりうるのではないか。

 そこで!「『ONE PIECE』に登場する“パワフルばあさん”ベスト5」と銘打ち、男どもを蹴散らし、我が道を力強く突き進むばあさんたちをご紹介していこう!

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 さらにランキングと一緒に、未来の海賊王である「ルフィが逆らえないレベル」を★で表しているので、そちらも楽しんで頂きたい。ちなみに「戦闘能力のある敵キャラ」や「海軍」などは、今回のランキングから除外している。

1位
第134話 ぼったくりの心優しきピチピチ老医者「Dr.くれは」
ONE PIECE 15
ONE PIECE 15
  • 著者名:尾田栄一郎
  • 発売元 : 集英社
  • 価格:

ルフィが逆らえないレベル ★★★★★
サンジが逆らえないレベル 測定不可

 堂々の1位に輝いたのが、この方だ。このランキングでも最高齢、ピチピチの141歳である。現役の医者であり、かつ天才医術を有している。ドラム王国がまだワポルの悪政にあった頃、「医者狩り」が横行していたが、その苦境も難なく乗り越え、ドラム王国の患者たちを一手に引き受けていた。事あるごとに「若さの秘訣かい?」という言葉を口にするが、その秘訣の内容を一度も聞いたことがないのが残念だ。Dr.くれはの強さは折り紙つきで、ルフィとサンジを同時に相手にし、包丁で城内を追い回している。さらに、サンジは彼女から拷問(手術)を食らい、しばらく意識不明だった。これらの事実を踏まえると、彼女が海を飛び出した日には、たちまち世界中が包丁と拷問(医療)で支配され、彼女の悪政に堕ちるだろう。夫に悩まされる世の奥さんたちは、彼女のように包丁を持って立ち上がってみてはいかがだろうか。

2位
第498話 ぼったくり酒場を経営する元海賊熟女「シャッキー」
ONE PIECE 51
ONE PIECE 51
  • 著者名:尾田栄一郎
  • 発売元 : 集英社
  • 価格:

ルフィが逆らえないレベル ★★★★
ぼったくりレベル     ★★★★★

 シャッキーは謎多き熟女だ。とりあえず見た目が若い。おそらく60歳前後であるはずなのに、見た目は30代のようだ。現在はシャボンディ諸島でぼったくり酒場を経営しているが、かつては海賊であり、英雄ガープに追い回された過去があるらしい。わざわざガープに追い回されるくらいなので、相当の実力の持ち主だろう。情報通というところもポイントが高い。にじみ出る「大人の女性感」、そしてぼったくるときの襟首のつかみ方はカンペキとしか言えない。ストレス社会で闘うサラリーウーマンたちは、彼女を見習うべきだ。ちなみに★が4つである理由は、シャッキーがルフィのファンだからだ。

3位
第322話 男のロマンを打ち砕いた人魚「ココロ」
ONE PIECE 34
ONE PIECE 34
  • 著者名:尾田栄一郎
  • 発売元 : 集英社
  • 価格:

ルフィが逆らえないレベル  ★★★
男の幻想を打ち砕いたレベル ★×∞

 悲しき酔っ払い駅長ココロさんが3位にランクイン。初めて彼女が登場したときは、ページをめくりながら「なんだこの酔っ払いばあさん」と思ったが、回想を重ねていくと、酔わずにはいられない悲しい過去が明かされた。その過去を踏まえて、この322話を振り返ると、心なしかココロさんが悲しい顔をしている…いや、やっぱりただの酔っ払いだった。お酒は飲みすぎると良くないが、ときには現実を忘れるのいいだろう。読者である女性たちは、今夜くらい酒を飲んでみてはいかがだろう。第423話では、海底の地下通路でなす術なく海水に飲まれる『麦わらの一味』を救った。ところが、命は助かったものの、男たちの儚い幻想は海に溺れてしまった。ちなみに単行本によると、当初の構想ではココロさんは存在せず、この駅長役は男だったようだ。

4位
第582話 ルフィとエースを育てた山賊クソババア「カーリー・ダダン」
ONE PIECE 59
ONE PIECE 59
  • 著者名:尾田栄一郎
  • 発売元 : 集英社
  • 価格:

ルフィが逆らえないレベル   ★★
愛にあふれるクソババアレベル 💛💛💛💛💛

 ダダンはエースとルフィの仮親だ。半ば強制的に2人をガープに押しつけられ、ずいぶん迷惑していたようだが、やはり女性というべきか、最後はエースを救うために命を懸けている。途方もない運命を背負ったエースにも愛は届くようで、エースが出ていくときダダンにお礼の伝言を残しているあたり、子育ては必ず報われるものだと感じる。世のシングルマザーたちは、それぞれの家庭事情で大変苦労が多いと思うが、ぜひこのダダンのように強く生きてほしい。くそったれな男どもは殴りつけるくらいの勢いで生きていいだろう。なにより、子どもたちを愛してやってほしい。

5位
第238話 空島の門を監視する梅干し天使「アマゾン」
ONE PIECE 26
ONE PIECE 26
  • 著者名:尾田栄一郎
  • 発売元 : 集英社
  • 価格:

ルフィが逆らえないレベル ★
すっぱい小物レベル    ★★★★★

 空島の『天国の門』の監視官アマゾンをご存じの方は、かなりのワンピース通だ。空島で麦わらの一味が難儀な目に遭ったのは、元をたどると彼女のせいだ。エネルや神官という虎の威を借りて『天国の門』で大きな顔をしている。さらにチクるという行為はいかにも小物臭い。顔が梅干しのような形や質感をしており、彼女のすっぱい人生が透けて見える。しかし、現代社会では彼女のような生き方もアリだろう。アマゾンは勝つ人間ではないが、負ける人間でもないからだ。私としては、せめて梅干しよりレモンくらいの可愛さはまとってほしいと思う。

 いかがだろうか? 人生の参考になるような強い女性たちばかりだったはずだ。この他にも、アマゾン・リリー先々々代皇帝グロリオーサ、バルトクラブ一味の心の拠り所である駄菓子屋のばあさん、ルフィとウソップがハイキングベアと間違えた買い物帰りのオバハンなど、ワンピースにはパワフルばあさんたちが続々と登場している。「もっと強く生きたい!」という女性たちは、ぜひ見習ってみてはいかがだろうか。

文=いのうえゆきひろ